研究2が無理数であることの証明
前ページの例題2では, 「√2 が無理数である」 ということを認めて
いた。
この事実を,背理法を利用して証明してみよう。
Hist
数学史
5
「√2 が無理数でない」すなわち
「√2 が有理数である」
5
と仮定すると,√2 はある自然数m,nを用いて
m
√2-
①
n
と表すことができる。このとき、できる限り約分して,mとnに1以外
10 の正の公約数がないような分数にする。
10
このような分数を
①から
√2n=m
既約分数という。
この両辺を2乗すると即ハ
2m2=m²
......
②
よって, m² は偶数である。
15
66 ページの例題1により,m²が偶数ならば.
偶数 m は,ある自然数 kを用いて,m=2k と表されるから,②に代
入して
mも偶数となる。
すなわち
2n2=4k2
n2=2k2
20
よって,2は偶数となり, nも偶数となる。
15
6605
2
mnがともに偶数となることは,mとnに1以外の正の公約数が
ないとしたことに矛盾する。
したがって,2は無理数である。
終