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2 歴史的仮名遣い
口語文に使われている現代仮名遣いに対し、文語文で使われている仮名遣いを
歴史的仮名遣いという。これは、平安時代中期ごろの用例を基準としている。
歴史的仮名遣いの読み方
1語中・語尾の「は・ひ・ふ・へ・ほ」は、「ワ・イ・ウ・エ・オ」と読む。
いはひ〈祝ひ〉→イワイ くふく食ふ〉→クウ うへ〈上〉→ウエ
※語頭に「は・ひ・ふ・へ・ほ」のある語が、他の語の下に付いて複合語にな
った場合は、「ハ・ヒ・フ・ヘ・ホ」と読む。 はつはな〈初花>ハッハナ
2次のように母音が重なる場合は、長音で読む。 ※「フ」も「ウ」と同じ。〈1の原則〉
●アウ
やう様〉
オー〔36〕
●アフ
たまふ〈給ふ〉 →タモー[tamahu→tamau→tamô〕
いうげん<幽玄>ユーゲン [iugen→yūgen]
●イウ
●イフ
いふ〈言ふ〉
エウ
〔1〕
例せうと〈兄人〉 →ショート〔seuto syōto〕
けふ〈今日〉
●エフ
●オウ
おうな〈嫗〉
↓オーナ[ouna→ôna]
オー〔06〕
●オフ
きのふ〈昨日〉
キノー [kinohu→kinou→kinô]
3「ゐゑを」は「イ・エ・オ」と読み、「ぢ・づ」は「ジ・ズ」と読む。
ゑむ〈笑む〉エム をんな〈女〉 オンナ
ゐなか〈田舎>イナカ
なんぢ〈汝>ナンジ
みづから〈自ら〉→ミズカラ
4助動詞「む」、助詞 「なむ」などの「む」は、「ン」と読む。
5「くわ・ぐわ」は「カ・ガ」と読む。 くわんゐ〈官位>→カンイ
入門 古文と現代文の違い 歴史的仮名遣い
(ST2)-P
➡M-(yau→yô)
→ユー[ihu→iu→yū]
→キョー[kehu→keu→kyō〕
書かむ カカン
ガン
ぐわん〈願〉
確認問題
●次の歴史的仮名遣いで表記してある
語を、現代仮名遣いに改めよ。
うつは(器)
2ゆふ(結ふ)
いきほひ (勢ひ)
まうす(申す)
あふぎ(扇)
てふ(蝶)
7ひうが (日向)
8ゐる(居る)
9ひとこゑ(一声)
10のこ(男)
1もみぢ(紅葉)
(愛づ)
次の傍線部を、平仮名・現代仮名遣
いに改めよ。
2
1名をば、さかきの造となむいひける。
(竹取物語・おひたち)
(翁は名を、さかきの造といった。
2
いとうつくしてゐたり。
(竹取物語・おひたち)
(かぐや姫は) とてもかわいらしい姿で竹の中
に座っている。
1.
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