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エキスパートB
一一八三年一月××日
●日記を読んで次の問いについて考察しよう。
今日もたくさんの弟子が私を訪ねてきた。 平家一族が栄華を極めるいま、貴族社会では和歌が盛んだ。私は和歌の
として、平家一族をはじめ、多くの人に和歌を教えてきた。私の息子である定家と家隆も和歌の才能が開花し、今
おおいに活躍してくれるだろう。
一一八三年 二月××日
弟子の
うれしいことがあった。なんと、あの後白河上皇が「千載集」という勅撰和歌集をおつくりになるそうだ。私はその撰者
に任命された。息子の定家の助けを借りながら歌を選ぼう。九八九年以降の優れた歌を掲載するのが私の役目だ。
一一八三年 五月××日
大事件だ。源義仲が率いる源氏の兵士達が、平氏の支配する都に攻め込んでくるそうだ。私の弟子には平氏がいる。
都と平家一族はどうなってしまうのだろうか。いやいや、私たちだって例外ではない。都の五条京極に住んでいる以上、
戦乱に巻き込まれる可能性はある。
世の中が乱れ、勅撰和歌集の制作は中断せざるをえないだろう。
一一八三年 六月××日
平家一族は都から逃げ落ちることが決まったそうだ。平家は、支配下にあった機関や家を焼きはじめた。攻め込んで
くる源氏が、家財を略奪するのを防ぐためだそうだ。しかし、黒い噂も聞こえてくる。どうやら平家は関係のない家
にまで火を放っているそうだ。私の家も警戒せねば。平家に目をつけられないよう、門を固く閉ざしておこう。
一一八三年 七月××日
とうとう源義仲が都に攻め入ってきた。 平家一族は都から去り、逃げているところだろう。 源氏に捕まれば殺されて
しまう。私の弟子たちは無事だろうか。 あの平忠度という弟子、いまは平家のために命懸けで戦っているが、平和な時
代に生まれれば、優れた歌人として歴史に名を残したであろうに。惜しいが、もう会うこともできないだろう。これか
らは源氏の時代だ。
一一八三年 八月A日
家中が騒がしい。どうやら誰かが訪れてきたようだ。平家と関わると源氏からどんな罰を受けるか分からない。平家
(教科書本文と史実に基づいていますが、この日記はフィクションです。)
の者ではないといいが・・・
1「都」とはどこか。 現在の都道府県名で答えよう。
富山県京都
この日記を書いたのは誰か。どこに住んでいるか。 現在の都道府県名で答えよう。
藤原俊成
京都
BA月4日に書き手を訪ねてきたのは誰か。教科書本文を参考に書こう。
この日記の書き手は、平氏に対してどのような気持ちを抱いているか考察しよう。