参考として>
IC アイソスタシー
ヒマラヤのような大山脈の近くで重力を測
定すると, その質量による引力の影響は予想
図19 アイソスタシーの概念図
地殻を断面積がSの何本かの柱に分けて,
その高さをh, マントルに入りこんだ部分を
とし、地殻の密度を ρ, マントルの密度を
とすると,地殻の柱が受ける重力
phth')g(gは重力加速度の大きさ)がマ
ントルから受ける浮力 'h' Sg とつりあうの
でp(h+h')Sg=p'h'Sg_
ゆえにh=-ph となる。
A
pl
200
-200-
150-
P
面ABよりも上方にのっている質量
は,どこでも同じである。 したがっ
て, 面ABにかかる圧力はどこでも
等しくなっている
100~
50
地殻
P<pl
ほどに大きくない。 この
ような事実は、高い山の
下では密度の小さい地殻
が密度の大きいマントル
の中に深く根を張り, 全
体として圧力の均衡がと
れていると考えると説明
できる。 このことをア
イソスタシー(地殻の均
衡)という。
◆図20 スカンジナビア半島の隆起
図19からわかるように, p=2.8g/cm², p′=3.3g/cm² とすると,
h = 5.6hとなるから,地殻の底の凹凸は地表の凹凸よりもはるかに
大きくなる。
スカンジナビア半島は, 過去1万年間に300m近く隆起している。
これは次のように考えられている。 氷河時代に厚い氷がこの地方をお
おい, 氷河の荷重がかかった状態でアイソスタシーが成りたっていた。
やがて氷河がとけて, 荷重が失われてしまったが, この状態で、ふた
たびアイソスタシーが成りたつように,地殻が隆起してきたのである。
マントル
B
0
過去1万年間の上
昇量(m) を示す
500 1000km
間 250m隆起したとすれば、とけた氷河の厚さは何か。
氷のP=0.9g/cm3. マントルのP2=3,38/cm3として計算せよ。
答、約920(m)程