古代製
やま
山にすることのほうが困難です。もし山の木をぜんぶ伐って、植樹しな、
三十年でもとの緑の山に回ふくするといわれております。 古代製鉄業者たちは、山を
裸にしては、三十年たってもとの裸の山に帰ってくるというような運命をくりかえし
ました。
かんかいつ
はがね
十三、四世紀のころは、おそらく日本は、アジア最大の鋼の生産国だったと思いま
す。
⑥ この四世紀前後の朝鮮における事情は、大規模な形としては、 十六世紀の英国にお
いて、爆発的に急成長した製鉄業と森林破壊の関係を想像してくだされば――そして
それを古代的状況 想像力をさかのぼらせて下されば理解していただけると思い
ます。ご存じのように、十六世紀の英国は、偉大なる産業革命への準備体操の段階に
ありました。十六世紀に、サセックス地方やケント地方に製鉄用の高(ロ) のむれがた
ちならび、怪物のように森林を呑みこんでは、鉄という卵を生みつづけました。
このため英国の森が壊滅しかけたころ、 あたらしい燃料であるコークスが発明され
て、英国の森林を救ったという事情を思いだしてくださると、 ご理解が Colourful に 58
なるかと思います。
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