22 2023年度 化学基礎/本試験
第2問 次の文章を読み、後の問い (問1~5)に答えよ。 (配点 20)
ある生徒は「血圧が高めの人は、塩分の取りすぎに注意しなくてはいけない」と
いう話を聞き、しょうゆに含まれる塩化ナトリウムNaCl の量を分析したいと考
え、文献を調べた。
しょうゆ
文献の記述
水溶液中の塩化物イオン CIの濃度を求めるには,指示薬として少量のク
ロム酸カリウム K2CrO』 を加え, 硝酸銀 AgNO 水溶液を滴下する。 水溶液中
のCI- は,加えた銀イオン Ag+ と反応し塩化銀AgCl の白色沈殿を生じる。
Ag+ の物質量が CI- と過不足なく反応するのに必要な量を超えると、
(a)過剰
な Ag+ とクロム酸イオン CrOが反応してクロム酸銀 Ag2CrOの暗赤色沈
殿が生じる。 したがって, 滴下した AgNOg 水溶液の量から、 CIの物質量を
求めることができる。
2023年度 化学基礎/本試験 23
表1
しょうゆ A~Cの実験結果のまとめ
A
操作Ⅱではかり取った
希釈溶液の体積(mL)
5.00
操作Vで記録したAgNO
水溶液の滴下量(mL)
14.25
B
5.00
C
6 10.00
15.95
13.70
え
問1 下線部(a)に示した CrO²に関する次の記述を読み、 後の問い(ab) に答
化学基
水溶液中では, 次の式(1)に従って, CrOからニクロム酸イオン CO2が
この実験は水溶液が弱い酸性から中性の範囲で行う必要がある。 強い酸性の
生じる。
ア 2 Cro² + イ 2H+
そこでこの生徒は, 3種類の市販のしょうゆ A~C に含まれる CIの濃度を分
析するため,それぞれに次の操作 I~Vを行い, 表1に示す実験結果を得た。 ただ
し, しょうゆには CI- 以外に Ag+ と反応する成分は含まれていないものとする。
操作 Ⅰ ホールピペットを用いて,250mLのメスフラスコに 5.00mLのしょうゆ
をはかり取り,標線まで水を加えて, しょうゆの希釈溶液を得た。
(1)
ウ/ C202 + H2O
したがって、試料が強い酸性の水溶液である場合、Cro は C20に変
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化してしまい指示薬としてはたらかない。 式 (1) の反応では、クロム原子の酸化
数は反応の前後で
エ
Cr-8=-22cm-14=-
Ch042-
式(1)の係数
ア
ウ
a
2cr=12
に当てはまる数字を,後の①~ ⑨ のうちか
Cr=6
ら一つずつ選べ。ただし、係数が1の場合は①を選ぶこと。 同じものを繰り
返し選んでもよい。
~
操作Ⅱ ホールピペットを用いて, 操作Ⅰで得られた希釈溶液から一定量をコニカ
ルビーカーにはかり取り、水を加えて全量を50mLにした。
操作 操作Ⅱのコニカルビーカーに少量のK2CrO を加え,得られた水溶液を試
料とした。
ア
10.2
イ
112
ウ
12/
操作ⅣV 操作Ⅲの試料に 0.0200 mol/LのAgNO3 水溶液を滴下し, よく混ぜた。
操作V 試料が暗赤色に着色して,よく混ぜてもその色が消えなくなるまでに要し
た滴下量を記録した。
1
(2
2
③3 3
4
6
6
⑦ 7
8
9
S