化学基礎
第2問 次の文章を読み,後の問い (問1~4)に答えよ。(配点 20)
河川や湖の水の汚れは,おもに家庭や工場からの排水に含まれる有機物が原因と
なっている。汚染の程度を表す指標の一つに, COD (化学的酸素要求量) がある。
CODは水1L中に含まれる有機物を酸化するために消費された酸化剤の量を,酸素
O2 の質量 (mg) に換算した値で表される。 したがって, 水中に有機物が多く含まれて
いれば COD の値が大きくなり,水質汚染が進んでいることになる。 ある河川水の
COD (mg/L) を, 次の実験によって測定した。
実験Ⅰ 河川の試料水 100mLに希硫酸を加えて酸性にしたのち, 5.0×10mol/L
の過マンガン酸カリウム水溶液10mL を加え, 加熱して試料水中の有機物を完全
に酸化した。 反応後の水溶液はうすい赤紫色をしており、未反応の過マンガン酸カ
リウムが水溶液中に残っていることがわかった。
実験Ⅱ 実験Iの水溶液に, 1.5×10mol/Lのシュウ酸ナトリウム水溶液を10mL
加えた。 反応後の溶液は赤紫色が消えて無色となった。
実験Ⅱ 実験Ⅱ の水溶液に未反応のシュウ酸ナトリウムが残っていたので, 実験Iと
同じ濃度の過マンガン酸カリウム水溶液を アを用いて滴下したところ、滴下
量が 4.0mL になったとき, 過マンガン酸カリウムの赤紫色が イ のでこれを
反応の終点とした。
過マンガン酸カリウム KMnO4, シュウ酸ナトリウム Na2C204 の変化は,次の電子
eを用いた反応式 (1) (2) でそれぞれ表される。
Max
5
MnO4 + 8H + + 5e¯ → Mn² + + 4H2O
C 137 +
(1)
C2O22CO2 + 2e
ar
(2)
また、酸素 O2が酸化剤としてはたらくときの変化は,次の電子 e を用いた反応
式 (3) で表される。
2O2 + 4H + +4e_
→
2H₂O
(Tom)
10 (3)
C