7-3 次の文章を読み,下の各間に答えよ。
一般に植物は,明期の長さを感知するのではなく,連続した暗期の長さを感知している。つ
まり、
ア
は一定以上の連続した暗期が与えられると花芽形成を行う植物であり,
イ
は一定以上の暗期が与えられると花芽形成を行わない植物である。このように, 生物が日長に
対して反応する性質を
ウ
といい。
その限界暗期は植物ごとで異なっている。チャイラ
ヒャン(ロシアの科学者)は, 花成刺激がホルモンに似た花芽形成因子によって伝えられると考
え,この因子を
と呼んだ。その考えは,限界暗期が9時間であるオナモミを使った以
エ
下の実験1~実験5の実験結果からも支持される。
(実験1とその結果)
人工照明下,暗期を与えずに生育させた(図1の実験1)。その結果, 花芽は形成されなかっ
た。
(実験2とその結果)
人工照明下,一枚の葉だけを9時間の暗期を与え生育させた(図1の実験2)。その結果,植
物全体に花芽が形成された。
(実験3とその結果)
葉をすべて除去し、, 植物全体を9時間の暗期を与え生育させた(図1の実験3)。その結果。
花芽は形成されなかった。
(実験4とその結果)
2本の枝を持つオナモミを用意し.人工照明下で, 一方の枝だけを9時間の暗期を与え生育
させた(図1の実験4)。その結果, 2本の枝ともに花芽が形成された。
(実験5とその結果)
2本の枝を持つオナモミを用意し, 2本の枝の分岐する部位の少し上の部分で、一方の枝だ
けに環状除皮を行った。この植物を人工照明下で, 環状除皮を行っていない枝だけに9時間の
暗期を与え生育させた(図1の実験5)。その結果, 暗期を与えた枝だけに花芽が形成された。
1990年代から,突然変異体植物を用いた研究が行われ, 近年, シロイヌナズナおよびイネに
おける
の正体が,それぞれ
オ
および
と呼ばれるタンパク質であること
エ
カ
が証明された。