問6 下線部⑩に関して、世界人権宣言は人権を保障するためにすべての国家が達
成すべき共通の基準を定めたものであって、法的拘束力を有する条約とは見な
されない。 そこで, その内容を具体化し, 拘束力をもたせた国際人権規約が採
択された。 次の表は、A国~D国の批准状況を表したものである。 これを見て,
規約人権委員会が条約違反の有無を審査できる事例として最も適当なものを,
後の①~④のうちから一つ選べ。 26
死刑を禁止する一
文化的生活を
おくる権利
自由権規約
第1選択議定書
第2選択議定書
社会権規約
選択議定書
国査に申し立て
A 国 B国
O
×
×
×
×
XO
X
② 29 -
第2回 現代社会
C国 D国
〇 〇 ×
×
OXXO
×
A国において, 人種を理由に入店を拒否された男性が, A国の検察や裁判
所に申し立てを行ったが, その店のオーナーは訴追されず, 男性には何の救
済措置が取られることもなかったため, 規約人権委員会に通報した。
② B国において, 夫から暴力をふるわれている妻がB国の警察に何度も通報
したが、警察は十分な捜査をせず, 妻や家族が保護されたり夫が処罰された
りすることはなく暴力が繰り返されたため, 規約人権委員会に通報した。
③ C国において, 殺人事件の容疑者として逮捕され,勾留中に拷問や虐待を
受けた男性が、裁判中に担当取調官の名前を挙げて訴えたが十分な捜査はさ
れずに死刑宣告を受けたため, 規約人権委員会に通報した。
D国において, 失業給付を申請しようとした女性が、結婚している女性の
場合にのみ家族の生計の担い手であることを証明しなければならないとする
法制度の改正を求めて規約人権委員会に通報した。