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44 自律神経系のはたらきと体液の循環> 脊椎動物は,心臓・血管・リンパ管を用いて体液を循環
させている。 心臓は血液を循環させるはたらきを担っている。 心臓の拍動の調節のしくみを調べるため,
カエルの心臓を使って次の実験1~4を行った (図1)。
図1
(08本試験)
実験1 カエルの心臓の拍動は、2種類の自律神経である神
経X と神経Y を含む心臓神経で調節されている。 カエル
の心臓を心臓神経をつけた状態で取り出し, リンガー液中
に浸したところ、 心臓は拍動を続けた。
リンガー液
実験2 神経のはたらきを抑える化学物質をリンガー液に加えて心臓神経を電気刺激すると, 拍動
が遅くなった。 この心臓を取り除き、 拍動している別の心臓をこのリンガー液に浸したところ、その
拍動も遅くなった。
実験3 神経 X のはたらきを抑える化学物質をリンガー液に加えて心臓神経を電気刺激したところ,
拍動は速くなった。
実験4 心臓を直接電気刺激すると, 刺激している間は拍動が乱れたが, 刺激をやめると拍動はすぐに
もとに戻った。
心臓神経
問1 実験1~4の結果を説明する記述として最も適当なものを、次の①~⑤のうちから一つ選べ。
① 取り出した心臓がリンガー液中で拍動するには、常に神経 X と神経のはたらきが必要である。
② 電気刺激された神経 X を介して心臓が電気刺激され, 拍動を遅くする化学物質が心臓から放出
された。
神経 X
① 血管の収縮
(2) 立毛筋の弛緩
③気管支の収縮
④ 副腎髄質からのホルモン分泌の抑制
⑤瞳孔の縮小
カエルの心臓
③ 神経 X が電気刺激されたことにより, 拍動を遅くする化学物質が神経 X の末端から放出された。
④ 神経 Xが電気刺激されたことにより, 拍動を遅くする化学物質が神経Yの末端から放出された。
⑤ 神経 X が電気刺激されたことにより, 化学物質が神経 X の末端から放出され, それが別の心臓
の神経Yを刺激して拍動を遅くした。
2 神経 X と神経Y はほかの器官にも分布している。 そのはたらきの組合せとして最も適当なもの
を次の① ⑥ のうちから一つ選べ。
神経 Y
どうこう
瞳孔の拡大
副腎髄質からのホルモン分泌の促進
すい臓からのインスリン分泌の促進
気管支の拡張
立毛筋の収縮
血管の拡張
発汗の促進
問3 実験4で使ったリンガー液に, 拍動している別の心臓を入れた場合にその心臓の拍動はどうな
るか。予想される結果として最も適当なものを、次の①~⑤のうちから一つ選べ。
① 拍動はすぐに速くなるが,やがてもとに戻る。
拍動はすぐに遅くなるが、 やがてもとに戻る。
③拍動はすぐに乱れるが,やがてもとに戻る。
拍動はすぐに遅くなり、 やがて停止する。
拍動はすぐには変わらない。
問4 体液の循環に関連した記述として最も適当なものを、次の①~ ⑤ のうちから一つ選べ。
① 腎臓には毛細血管からなる糸球体があり、 そこでは腎静脈から送り込まれた血液がろ過される。
肺循環では、二酸化炭素を放出し酸素を取り入れるガス交換が行われる。
リンパ液は、リンパ管を通った後, 鎖骨下のリンパ節から心臓に入る。
④ ヒトの心臓は2つの心房と1つの心室からなり, 心室では2つの心房から入る血液が混ざり合う。
体の各組織では, 毛細血管から血しょうとともに赤血球が組織へしみ出してはたらいている