(2) 弾性力は, ばねに 「セリフ」 を言わせよ
伸び縮みしたばねが,もとの長さ(自然長) に戻ろうとしてはたらく
力が弾性力だ。
ばねの弾性力の大きさF〔N〕は, ばねの伸び縮みの大きさ x[m] に比
例する。 これをフックの法則という。
F=kxx
このときこの比例定数k [N/m] をばね定数とよぶ。 ばね定数とは,
ばねを1m伸ばしたり縮めたりするのに要する力だよ。 よって, kが大
きいばねほど硬いばねとなるね。
ここで,問題だ。 次のすべてのばねとおもりは,それぞれ同一のも
のとする。 このとき, ばねの伸びが大きいのは次の(A)と(B) のどっち?
0000000
0000000
そして,次に,おもりに注目して力のつり合いを考えると,
(A)のおもり kx=mg
(B)のおもり(どちらでもよい) kx=mg
よって,XA=XBとなるのだ。 よって, (A)と(B)のばねはどちらも同
じ伸びなのだ。 ちょっと引っかけ問題だったかな。
ウーン, それでもやっぱり (B)のほうが両側から引いてい
るから,伸びが大きくなるように思えるなあ。
じゃあ、こう考えたらどうだろう。 つまり 「(A) の壁と (B) の左側
のおもりは同じ役目をしているのだ」 と。 (A) の壁のつけ根の力のつ
り合いの式は,F=kx=mgとなって, mgと同じ力をばねに与えて
いるだろう。
弾性力で大切なのは, ばねを見たら伸び縮みを未知数として仮
定して,そのばねについている物体に関する式を立てて, 仮定した
xの値を求めるというやり方なんだ。
(A)
(B)
う~ん。 (B)のほうが2つのおもりで引かれているから,
2倍の伸びになっているのかなあ~。
一見そう見えるよね。 でもあくまでも基本に忠実に力を書いてごら
ん。 それぞれのばねの伸びを A, B と仮定することが大切だよ。
伸びxと仮定
F
kx
0000000
(A)
伸びx と仮定
0000000
kx kx
Ekxs
img
mgmg
(B)
POINT4弾性力
kx
伸びx
kx
0000000000
/kx
縮みx
ばねには必ず
伸び縮みの
「セリフ」 を書
き込め!
kx