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問題英文と全訳
全訳
スイスは言語の問題を抱えている。 この問題は言語の不足ではない, というのも,
スイス国民は国語として4つの言語を持っているからである。 約65% はスイス系ド
イツ語の何らかの種類のものを話し、18%がフランス語を話し, 10% がイタリア語
を話し,ほぼ1%がグリゾン県の渓谷の一部で使われている4つあるロマンシュ語
の方言の1つを話している。 また多くの移民労働者の言語がある。問題は, 国外にい
る同僚と話したがっているビジネスマンはもちろん, 多くのスイス人の親は, より多
くのスイスの子どもたちに英語のより優れた運用能力を持って世の中に出て行っても
らいたいと望んでいることだ。
現在,英語は公には 16歳という義務教育を終了する年齢になる前に1~2年間だ
け教えられている。スイスではこうした慣習を変えることは決してやさしいことでは
ない。教育を管理する国家省庁もない。 26 ある県は文化的, 教育的な業務ではそれ
ぞれ独立している。それで26 人いる教育大臣は, 法制化するためには後に26の議
会を通過しなければならない勧告案を決議するために会合を開く必要がある。そうし
た理由でスイスでは,14歳ではなく11 歳で第2国語ドイツ語かフランス語の授業を
導入するのに 20年以上もかかってしまったのである。
しかし今回は1つの県がもう十二分に待ったと判断して, この行き詰まりを打開し
た。県の中でも最も人口の多い県であり, スイスの銀行業の中心であるチューリッヒ
は,英語を早い年齢で, たぶん小学校1年からでも必修科目とすることを計画してい
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る。
世間で想像されているほど平穏とはほど遠い国においては予期されていたことでは
あったのだが,チューリッヒの提案は大騒動を引き起こした。教育界ではフランス語
はドイツ語を話すスイスの地域では優勢な立場(19才で大学に入る前に学校でフラン
ス語を8年間学ぶこと)を失い, このことがスイスの政治的な結東を危険にさらす可
能性がある,という反論も出ている。フランス系スイス人政治家は激怒している。フ
ランス語を話すスイスの地域においてのドイツ語教育に対しての悪影響が出る可能性
があるとする抗議の声が上がり, いっそう悩ましい問題になっている。というのは,
そこで教えられているドイツ語は, ドイツ南部や中央の方言である高地ドイツ語だか
らである。しかし,日常生活では, 改まった書き言葉とは対照的に, スイス系ドイツ
人は彼らが使っている非常に異なった方言のいずれかを話している。それゆえ 「国の
きずなとなる言語」としての英語を好むことになる。balnisga
26人の大臣たちが今年半ばまでに方針を打ち出すため, おのずとフランス語の教
授が率いることとなった委員会を急速設立した。たぶん, 委員会はすべベての県が独自
の解決策を決めることができるような賢明な勧告案を見つけるであろう。 スイス国民
は容易には統制されないのである。