25 推量の助動詞(②
10
C
B
問 - 傍線部Aとあるが、野大弐が槍垣の御の安否を最も強く案じ
ている一文を本文から抜き出し、初めの三字を答えなさい。
文 章演 智)
むかし筑紫の国に槍垣の御という有名な遊女(歌舞などを演じ客の遊び
の相手をする女)がいたが、藤原純友の乱に遭って家を焼かれ行方不明に
なっていた。反乱を鎮圧するための使者(討手の使ひ)として筑紫に下った一
小野好古(野大弐)は槍垣の御の名声を聞いて行方を捜していた。
v」
問二 傍線部B.Cを現代語訳しなさい。
野大弐、討手の使ひに下りたまひて、それが家のありしわたりをたづね
O
て、「櫛垣の御といひけむ人に、いかであはむ。いづくにか住むらむ。」と
なんとかして会いたい。
のたまへば、「このわたりになむ住みはべりし。」など、供なる人もいひけ
おっしゃると、
住んでおりました
り。「あはれ、かかる騒ぎに、いかになりにけむ。 たづねてしがな。」とのた
問三 本文中の歌で、槍垣の御は自分の容姿がどのようになったと
言っているか。解答欄に合わせて説明しなさい。
ぜひ訪ねたいものだなあ。
まひけるほどに、かしら白き雄の、水汲めるなむ、前よりあやしきやうな
前を通ってみすぼらしい様子の一
私の美しい黒髪は
と言っている。
る家に入りける。ある人ありて、「これなむ槍垣の御。」といひけり。いみ
じうあはれがりたまひて、よばすれど恥ぢて来で、かくなむいへりける。
リ
問四 傍線部Dのようなことを野大弐がしたのはなぜか。その理由
として最も適切なものを、次の中から選びなさい。
槍垣の御が没落前と変わらぬ気丈な振る舞いをしたから。
E 棺垣の御の歌に感動すると同時に気の毒になったから。
D 槍垣の御の態度は礼儀にかなった謙虚なものだったから。
棺垣の御がみじめな姿で物乞いする歌を詠んだから。
(ガ一)
むばたまのわが黒髪は白川の水は汲むまでなりにけるかな
(注2) とめ
とよみたりければ、あはれがりて、着たりける祖ひとかさねぬぎてなむ
やりける。
(大和物語)
1 むばたまのー「ぬばたまの」に同じ。「黒」にかかる枕詞。
2祖上着と下着の間に着る衣服。