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(1) 次の文章を読んで,問1~間4の答を記入せよ。
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神経系において情報を伝え,処理するのは神経細胞である。神経細胞の細胞体は通常,一本の軸索と多
数のア突起をもつ。神経細胞の興奮が起こると,興奮部とその隣接部分との間に電位差が生じ,イ
が流れる。この電位差の発生は,イオンチャネルの開閉によって起こるイオンの透過性の変化が重要な役割
を果たす。つまり,神経細胞が刺激を受けると,細胞膜に存在する ウ ]チャネルが開き, ゥイオンが
細胞外からチャネルを通って細胞内に入る。 ウイオンの流入量が, 常時開いているエ]チャネルを
通って漏れ出るエ ]イオンの量と比較して圧倒的に多いため, 細胞内の電位が変化し,a電位差が生じる。
これが刺激となって,隣接部分が興奮し, 次々に隣へと興奮が伝達される。神経細胞内で興奮が伝わってい
くことをオ]という。
神経細胞の興奮は長い軸索を伝わって神経終末へと移動していく。 脊椎動物の神経細胞はその多くが髄鞘
をもった軸索の神経細胞,すなわち。有髄神経であり,髄鞘がならんで軸索を絶縁している。髄鞘にはくび
れている部分があり,それをカという。有髄神経ではカでのみ興奮が起こり,その興奮がくびれて
いる部分をとびとびに伝達されるので, この現象をキと呼ぶ。
有髄神経の髄鞘に対する免疫反応がおこる自己免疫疾患が知られている。ある髄鞘成分と共通の構造をも
つ細菌が感染すると,その細菌をク]とする免疫応答が活性化し, 細菌を攻撃すると同時に, 髄鞘も攻撃
してしまう。その結果,
ることで疾患を発症する。
問1.空欄アコ~クに入る最も適切な語句を記せ。
問2.下線部 aについて, 電位差が生じる前の膜電位のことを何と呼ぶか,その名称を答えよ。また, その
電位の大きさに最も近い値を次のD~6から1つ選び記号で答えよ。
0 -700mV
問3.下線部aについて, 関値より小さい刺激では興奮しないが, 関値以上の刺激では刺激の大きさにかか
わらず一定の大きさで興奮するという法則を何というか, 答えよ。
問4.神経細胞は,軸索に髄鞘がある場合とない場合で, 伝達する速度が大きく異なる。以下の(i)~価)の問
に答えよ。
(i) 下線部bの有髄神経の軸索の長さが 60cmのとき, 伝達に要する時間を答えよ。ただし, 有髄神経の
伝達する速度を 100m/秒 とする。
(i) 下線部cについて, 脱髄を起こしたときの伝達する速度は, 無髄神経と同じになると考えることがで
きる。今,(i)の有髄神経の軸索のすべての髄鞘が脱髄を起こしたとき, 伝達に要する時間を答えよ。た
だし,無髄神経の伝達する速度を 1m/秒 とする。
() 実際の疾患では, 髄鞘の脱髄は部分的である場合が多い。1m の有髄神経がもつ髄鞘のうち, 20%の
部分が脱髄を起こしたと仮定して, その神経の伝達に要する時間を, 計算過程も含めて答えよ。 (計算過
程解答欄 11.5×4cm)
髄鞘が神経細胞から脱離してしまい(これを脱髄という),伝達する速度が低下す
2 -70mV
3 OmV ④
+50mV 6
+500mV
I
了
オ