経済を見る視点
ばんのう
市場機構は万能ではなく、 公害や環境問題のよ
→p.191
→p.196
→p.248
うに,ときに取り引きとは関係のない第三者に悪
かいにゅう
影響を与えることがある。 このような場合には,
政府が経済活動に介入することが必要となる。 政
府は,政策的に需要曲線や供給曲線を移動させる。
ことによって, 経済活動に影響を与えることがで
きる。たとえば、炭素税の導入があげられる。 こ
れは、企業に課税することによって, 二酸化炭素
の排出を抑えようとする取り組みである。 政府が,
→p.195, 251
おさ
生産過程で温室効果ガスを排出する企業に対して,
→p.248, 250
その排出量に応じて炭素税を課すと, 供給曲線を
左(上) に移動させることになる。
一般的に, 需要曲線や供給曲線の移動について
は、 「買い手側に変化があるのか, 売り手側に変化
があるのか」,
P
「曲線が右に動格
くのか、左に動
くのか」という
二段階に分けて
理解することが
大切である。
P₁
Po
0
S
Q (数量)
①5炭素税を導入した場合の需要・
供給曲線の移動
10
市場経済の機能と限界