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剛体の釣り合いに関する問題
人間が二足歩行するようになってから脊柱や腰にかかる力学的な負担がいかに大きくなった
かを人体の簡単なモデルを用い、剛体の力の釣り合いから理解する問題を考える。図1、2は
人間の脊柱をモデル化し、これを剛体として各所にかかる力を示したものである。
B
Fsin12"
Wsing
Fsin(9+12")
W
12"
M予
C
Fcos(0+12")
12°
番Wsin@
各W
図1
図2
このモデルでは、A(腰)からB(肩)までの部分が脊柱を表し、鉛直から0だけ傾いている。
A点では下半身上端の仙骨から抗力Rを受けている。D点には(仙骨とつながった脊柱起立筋
が上半身を引っ張り上げる力)Fが働き、その方向は AB とa=12°の角をなしている。頭と腕
を除く上半身および頭と腕にかかる重力はそれぞれ、脊柱の中心Cおよび肩Bに鉛沿直下向きに
かかり、その大きさは体重を Wとして、W,Wとしている。また AB間の長さをL、AC間、
AD 間をそれぞれ L, 3Lとする。(図2では AB 間の長さとなっているが、Lとすること)
このモデルをもとに以下の問いに答えよ。
脊柱に働く力の釣り合いを表す式を、水平方向(x)および鉛直方向(y)に分けて作れ。
ただし図中12°と示された角はaとすること。
脊柱に働く力の釣り合いを表す式を、脊柱(AB)に沿う方向(I)および ABに垂直な方
向(1)に分けて作れ。ただし抗力Rのそれぞれの成分は R およびR」を用い、また図
中 12° と示された角はaとすること。
脊柱に働くトルクの釣り合いを表す式を作れ。ただしトルクはAを回転中心として求め、
また図中 12° と示された角はaとすること。
力およびトルク両者の釣り合いの式より、FおよびRをW、0、aを用いて表せ。
ただし、力の釣り合いは2. のR』 およびR」に関する式を用いること。
W=50 kgw、0=30°、a =12°の時、F, R の大きさを有効数字3桁で求めよ。
この人体モデルで表される看護師2人が同じ体重の患者1人を抱える状況を考える。1人
あたり(1/2)W kgを抱えることを、B点に鉛直下向きに(1/2)W kgw の力が追加された場合
として、F、Rの大きさを求め、これらが Wの何倍になるかを求めよ。ただしW=50 kgw、
0=30°、a =12° とする。
1.
2.
3.
4.
5.
6.