133. <ベータトロン〉
時間変化する磁場による荷電粒子の加速について考えよう。
図のように、原点Oを通り互いに直交するx軸, y 軸, z軸をと
る。
AB
(1) 等速円運動する荷電粒子の速さを求めよ。
2軸の正の向きに一様で時間変化しない磁場が加えられてお
り,その磁束密度の大きさをBとする。この磁場中に質量 m,
電荷 g (>0) の荷電粒子を入射したところ,xy 平面上で原点O
を中心とする半径rの等速円運動をした。
y
m
x
v
荷電粒子の円運動は,半径rの円形コイルを流れる電流とみなすことができ,円形コイル
を貫く磁束はBで与えられる。このことを用いて, 磁場を時間変化させたときの荷電粒
子の運動について考える。ただし,この電流がつくる磁場は無視できるとする。円形コイル
内部と円形コイル上の磁束密度の大きさを時間とともに一様に増加させる。増加を開始して
から微小時間 ⊿t 経過したとき,磁束密度の大きさは微小量⊿B (>0) だけ増加した。 なお、
(4)(5)では2つ以上の微小量どうしの積は無視して計算すること。
(2) 円形コイルに誘導される電場の大きさを求めよ。
闘 (3) 誘導された電場により荷電粒子の速さは増加する。 その理由を述べ, 速さの微小な増加
量⊿v を求めよ。
*(4)磁場の増加により円運動の半径は変わらないと仮定して,荷電粒子にはたらくローレン
ッカの大きさと遠心力の大きさを計算し,ローレンツ力は遠心力より大きいことを示せ。
したがって,磁束密度を一様に増加させると軌道が円からずれる。 元の円軌道を保つには,
磁束密度の増加量を一様ではなくすればよい。 このとき,円形コイル内部の磁束密度の大き
さの平均値をĒとすると,円形コイルを貫く磁束は2万で与えられる。微小時間⊿t経過
する間に, Bを微小量 4B 増加させ, 円形コイル上の磁束密度の大きさを⊿B'増加させたと
ころ,もとの円軌道が保たれた。だだし、磁束密度の大きさはz軸からの距離と時間だけに
依存するものとする。
(8) AB4B' の比
AB
AB'
を求めよ。
〔22 大阪公立大〕