17 保存則
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17 保存則
曲面 AB と突起Wからなる質量
Mの台が水平な床上にあり,台の左
側は床に固定されたストッパーSに
接している。Bの近くは水平面とな
っていて,そこからんだけ高い位置
にあるA点で質量 m(m<M)の小
A小球
m
W
S
M
B
床
球を静かに放した。小球は曲面を滑り降りて突起w に弾性衝突し,台
はSから離れ,小球は曲面を逆方向に上り始めた。台や床の摩擦はな
く,重力加速度をgとする。
(1) 突起Wと衝突する直前の小球の速さはいくらか。
(2) 小球が Wと衝突した直後の, 小球と台の速さはそれぞれいくらか。
(3) 小球が曲面を上り, 最高点に達したときの台の速さはいくらか。
また,最高点の高さ(Bからの高さ)はいくらか。
次に,ストッパー Sをはずして,台が静止した状態で,小球をA点
で静かに放す。
(4) Wに衝突する直前の,小球と台の速さはそれぞれいくらか。
(5) Wとの衝突後,小球が達する最高点の高さはいくらか。
F
(東京電機大+日本大)
Level(1) ★★ (2) ★ (3) ★ (4), (5) ★★
Point & Hint
(2) 弾性衝突は運動エネルギーが保存される衝突だが, 反発係数 e=1 で扱いた
い。
(3) 最高点に達したとき, 小球は台に対して一瞬止まる。水平方向には外力がない
ので,ある保存則が成り立つ。後半はもう一つの保存則を用いる。 ただし, 物体
系に対して適用する。
(4) 2つの保存則の成立。
(5) (3)と同様に考えるのが正攻法だが, ……もっとスッキリと解ける。