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例題22
熱と温度
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右図は,-20 ℃の氷にゆっくりと熱を加えた
ときの温度上昇の様子を表している。 水の比熱を
4.2J/(g-K)とする。
1) グラフが横軸に平行になっている部分では、
熱を与え続けているのに温度上昇が見られない。
その理由を答えよ。
(2) この氷の質量は何gか。
(3) この氷の比熱は何J/(g·K)か。また, この氷の融解熱は何J/gか。
(4) この氷がすべて 50℃ の水になったときに熱を加えるのをやめた。その水と
70 ℃ の水300gとを混合した。 全体の温度が一様になったとき, 水の温度は何
℃になっているか。
30
温
度
(℃) 0
-20
04.2
37.8
50.4
熱量×10°U
Cha
SP 問題文を読み解く。
(3)「氷(水)の比熱」 →氷(水)が温度上昇している部分に注目する。
「氷の融解熱」一→氷が融解している部分に注目する。
SP 高温物体と低温物体の温度変化を整理する。
(4) 高温物体:「70 ℃ の水」 →t[℃]に下降 温度降下は70-t[℃]
低温物体:「50 ℃ の水」 →t[℃]に上昇 温度上昇はt-50[℃]
解答 (1) 熱が0℃の氷(固体)から0℃の水(液体)へ状態を
変化させるために使われるので温度が上昇しない。変
(2) 氷の質量をm[g]とする。水が温度上昇している部分に注
目すると,Q=mcAT より、
(50.4-37.8) ×10°=m×4.2×(30-0)
したがって, m= 100[g]
(3) 氷の比熱をc[J/(g·K)]とすると、 Q=mc4T より、
(4.2-0)×10°=100×c×10-(-20)|
したがって, c=D2.1J/(g·K)]
また,氷の融解熱をLJ/g〕とする。 氷が融解している部
分に注目すると、, Q=mLより、
(37.8-4.2) ×10'=100×L
したがって, L=336= 3.4×10°[J/g)
(4) 70℃ の水が失った熱量をQ), 50℃の水が得た熱量を
Q0), 一様になったときの全体の温度をf[℃]とすると、
Q=300×4.2× (70-t)[]
Q=100×4.2× (t-50) [J]
となる。熱量の保存より. Q=Q:となるから,
300×4.2× (70ーt) %3D100×4.2× (t-50)
したがって, t= 65[℃]
補 この氷が融けてすべて水に
なったときも質量は m[g]のま
まである。
センサー 28
比熱cU/(g-K)]や熱容量
CU/K]を用いた熱量Q]
の表し方
Q=mc4T
Q=CAT
センサー 29
融解熱または蒸発熱LU/g]
を用いた熱量QDの表し方
Q=mL