屈折率 1.4のガラスの表面に屈折率1.5の薄膜をつくり, 波長 6.0×10-7mの単色光
を膜に垂直に入射させて, その反射光の強度を測る。 次の各問に答えよ。
(1) 反射光が強めあう場合の、 最小の膜の厚さはいくらか。
(2)(1)で求めた厚さの薄膜を, 屈折率1.6のガラスの表面につけると, 膜に垂直に入
射させた光の反射光は強めあうか, 弱めあうか。
指針
薄膜の上面, 下面での反射光が干渉
する。 薄膜の厚さをdとすると, 経路差は 2d で
ある。 経路差が生じる部分は薄膜中にあるので,
薄膜中の波長で干渉条件を考える。 このとき,反
射における位相のずれに注意する。
をd とすると, 経路差は往復分の距離 2dであ
り,m=0, 1, 2, …として, 経路差が半波長
入'/2の (2m+1) 倍のときに反射光が強めあう
λ'
2d=(2m+1) = (2m+1). ...①
2n
■解説 (1) 屈折率のより大きい媒質との
境界面で反射するとき, 反射光の位相がずれ
る。 薄膜の上面Aにおける反射では位相がず
れ,下面Bにおける反
ずれる
射では位相は変化しな
い。 薄膜中の波長は,
'] = 入/nである。 膜厚
最小の厚さはm=0のときなので,各数値を代
入して,
6.0×10 -7
2d=(0+1)
d=1.0×10-7m
2×1.5
A
変化しない
B
(2) 薄膜の上面, 下面のそれぞれで, 反射光の位
相がずれる。 したがって, 式 ① は弱めあう条
件となる。 弱めあう