-
112
基本例題 63 定義域の一端が動く場合の関数の最大・最小
aは正の定数とする。 0≦x≦a における関数 f(x)=x²-4x+5 について
(1) 最大値を求めよ。
(2) 最小値を求めよ。
CHART & SOLUTION
定義域の一端が動く場合の2次関数の最大 最小
軸と定義域の位置関係で場合分け
定義域が 0≦x≦a である
から, 文字αの値が増加する
と定義域の右端が動いて, x
の変域が広がっていく。
x-0 x-a
したがって, αの値によって,
最大値と最小値をとるxの
値が変わるので場合分けが必要となる。
(1) y=f(x)のグラフは下に凸の放物線であるから, 軸からの距離が遠いほどyの値は大
きい (p.110 INFORMATION 参照)。
よって, 定義域 0≦x≦α の両端から軸までの距離が等しくなる (軸が定義域の中央に一
致する) ようなα の値が場合分けの境目となる。
[1] 軸が定義域の
中央より右
解答
最大
定義域
の中央
[2] 軸が定義域の
中央に一致
[4]
軸が定義域
の外
最大
軸
区間の
右端が
動く
最小
x-0
端から軸ま
での距離が
等しいとき
最大
定義域
の中央
ⓒp. 107 基本事項 2. 基本60
€4
[3] 軸が定義域の
定義域の両
[5]
軸が定義域
の内
エー
(2) y=f(x)のグラフは下に凸の放物線であるから, 軸が定義域 0≦x≦αに含まれてい
れば頂点で最小となる。 よって, 軸が定義域 0≦x≦αに含まれるか含まれないかで場合
分けをする。
ED
区間の
右端が
動く
最小
x0
中央より左
f(x)=x-4x+5=(x-2)+1
この関数のグラフは下に凸の放物線で, 軸は直線x=2である。
最大
定義域
の中央
x-a
|←基本形に変形。
B
(1) 定義域 0≦x≦a の中央の値は
[1] << 2 すなわち0<a<4
のとき
図 [1] から, x=0 で最大となる。
最大値は f(0)=5
[2] 1/2 =2 すなわちa=4 のとき
図 [2] から,x=0, 4 で最大となる。
最大値は f(0)=f(4)=5
[3] 2</1/17 すなわち 4<a のとき
図 [3] から, x=αで最大となる。
最大値は f(a)=a²-4a+5
[5] 2≦a のとき
図 [5] から, x=2で最小となる。
最小値は f(2)=1
[4], [5] から
である。
[1]
0<a<2のとき
x=αで最小値 α²-4α+5
a≧2 のとき x=2で最小値 1
最大
x-0 T
[2]
最大
x = 0
[3]
[1]~[3] から
0<a<4 のとき x=0 で最大値5 x=0|
a=4 のとき x=0, 4 で最大値5
a>4 のとき
x=α で最大値α²-4α+5
(2) 軸 x=2 が定義域 0≦x≦a に含まれるかどうかを考える。
[4] 0<a<2のとき
[4]
[軸
図 [4] から, x=αで最小となる。
最小値は f(a)=a²-4a+5
[5]
x=x=2
軸
x=a
x=0
x=0
● 最大
x=4
最大
x=a
最小
-x=a
x=2
最小
=2x=a
[1] 軸が定義域の中央
より右にあるか
2
ら, x=0 の方が軸より
遠い。
よって / (0) f(a)
[2]軸が定義域の中央
x=1/23 に一致するから,
軸と x=0, α(-4) との
距離が等しい。
よって f(0)=f(a)
最大値をとるxの値が
2つあるので, その2つ
の値を答える。
[3]軸が定義域の中央
x=1/23 より左にあるか
X
ら, x=a の方が軸より
遠い。
よって / (0) <f(a)
答えを最後にまとめて
書く。
[4]軸が定義域の右外にあ
るから, 軸に近い定義域
の右端で最小となる。
| [5]軸が定義域内にあるか
ら頂点で最小となる。
答えを最後にまとめて
書く。
P RACTICE 63
aは正の定数とする。 0≦x≦a における関数 f(x)=-x+6x について
(1) 最大値を求めよ。
(2) 最小値を求めよ。
113
3章
2次関数の最大・最小と決定