S1 整数方程式と不等式
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2022年度 〔1〕
0≦a≦b≦l をみたす α bに対し, 関数
f(x)=|x(x-1)|+|(x-a)(x-b)|
を考える。 x が実数の範囲を動くとき, f(x) は最小値m をもつとする。
(1) x < 0 およびx>1ではf(x) >mとなることを示せ。
(2)=f(0) またはm=f(1) であることを示せ。
(3)a,bが0≦a≦b≦1 をみたして動くとき,mの最大値を求めよ。
ポイント (1) x < 0 およびx>1のとき, f(x) の式の絶対値をはずすとxの2次関数
となるので, グラフの軸の位置を調べてf(x) >mであることを示す。
(2) 0≦x≦aおよび b≦x<1のときとa<x<bのとき. f(x) の絶対値をはずすと, そ
れぞれxの1次関数,xの2次関数となる。 1次関数のグラフの直線の傾きによって場
合分けをすると, m=f(0) またはm=f(1) を示すことができる。
(32)の場合分けを用いて考えていく。 〔解法1〕 場合分けの不等式を用いて2変数関
数の最大値として求める方法, 〔解法2] 不等式の表す領域を図示して考える方法, 〔解
法3〕 相加平均と相乗平均の関係を利用する方法などがある。
解法 1
(1) f(x)=|x(x-1)+(x-a)(x-b), 0≦a≦b≦1より x < 0 およびx>1のとき
f(x)=x(x-1)+(x-a)(x-b)
=2x²- (a +6+1)x+ab
= 2(x = a + b + ¹)²_ (a+b+1) 2
8
グラフの軸の方程式は, x=
a+b+1
4
0≦a≦b≦1より
+ ab
1_a+b+]
4
はx<0のとき単調減少, x>1のとき単調増加となるの
3
となる。
Level C
であるから, f(x)
Oa+b+1
4
で, 最小値はもたない。
f(x)は連続関数で最小値がmであるから,x< 0 およびx>1ではf(x) >mとなる。
(証明終)
(2) 0≦x≦aおよび b≦x≦1のとき
f(x)=-x(x-1)+(x-a)(x-b)
=(1-a-b)x+ab
a<x<bのとき
f(x)=-x(x-1)- (x-a)(x-b)
=-2x² + (a+b+1)x -ab
- 2(x_ a + b + ¹)² + .
a+b+12
4
(i) 1-a-b≦0 すなわちa+b≧1 のとき
0≦x≦a および b≦x≦1のとき, f(x)のグラフの傾き
は0以下であるから, f(x) は単調減少または一定であ
る。
a<x<bのとき, f(x)のグラフは上に凸である。
よって, 0≦x≦1におけるf(x)のグラフは右図のよう
になるので,この範囲における最小値は,α+6>1 のと
き (1), g+b=1のとき(0)=f(1) となる。
(ii) 1-a-b>0 すなわち a +6 <1のとき
0≦x≦a および b≦x≦1のとき, f(x) のグラフの傾き
は正であるから, f(x) は単調増加である。
a<x<bのとき, f(x)のグラフは上に凸である。
よって, 0≦x≦1におけるf(x) のグラフは右図のよう
になるので,この範囲における最小値はf (0) となる。
(1) の結果と(i), (i)より, m=f(0) またはm=f(1) であ O
( 証明終)
る。
[ab-a-b+1 (a+b≥1)
(a+b<1)
(3) (2)の結果より,m=
(i)a+b≧1 のとき
(a+b+1) 2
-- ab
8
ab
となる。
m=ab-a-b+1=(a-1) b-a+1
ここで, αを固定してbを1-α≦b≦1の範囲で変化さ
せたときのmの最大値をM(α) とすると, a-1≧0よ
り, b=1-αのとき
M (a) = (a-1) (1-α)-α+1=-α+α となる。
J'A
O
YA
a
a
1-a
b
b
I
1 x
b