めなだ
は、たてさまに走りよこさまに走り、履物片方履きて汗を洗l鬼老t
りぬれば、あまねく人に問ふに、「さる人はしかしかの方へこそおはすれ」と言ひければ、心のあられ
に行きて、「地蔵の示現にはあらず、法師が示現を、をこがましく」とののしりければ、「こは何ごとぞ。
人こそあれ、用ゐる人も無し。
ゼ
信深くして仏の御言と思ひければ、かの女房、思ひのごとく望むところにかなひてける。大聖の方便一
J°
ルく覚ゆれ。
語かでのこうち…京の北部にある東西の通り。
:仏が与える利益や救い。
烏丸小路。京の東部にある南北の通り。一
しゃう…仏に対する尊称。
原
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すまる
宝
方便…教え導く手段。