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(教科書六四~六五ページ・学習書七八~八一ページ)
【-】 次の文章を読んで、後の問いに答えよ。
三、四月の紅梅の衣。 牛死にたる牛飼ひ。乳児亡くなりたる (イ)産屋。
すさまじきもの、昼吠ゆる犬。 春の(ア)
(ウ) 除目に司得ぬ人の家。 今年は必ずと聞きて①はやうありし者どもの、ほかほかなりつる、田舎だちたる所に住む者
どもなど、みな集まり来て、出で入る車の轅もひまなく見え、もの詣でする供に、我も我もと参りつかうまつり、もの
食ひ、酒飲み、ののしり合へるに、果つる(エ) 暁まで門たたく音もせず、あやしうなど、耳立てて聞けば、前駆追ふ声々
などして、上達部など、みな出で給ひぬ。もの聞きに、宵より寒がりわななき (a) をりける下衆男、いともの憂げに歩み
来るを、見る者どもは、②え問ひにだにも問はず。ほかより来たる者などぞ、「殿は何にかならせ給ひたる。」など言ふに、
いらへには、「③何の前司にこそは。」など必ずいらふる。 まことに頼みける者は、いと嘆かしと思へり、つとめてになり
て、ひまなくをりつる者ども、一人、二人、すべり出で (b) いぬ。古き者どもの、さもえ行き離るまじきは、 ④ 来年の
国々、手を折りてうち数えなどして、⑤揺るぎありきたるも、いとほしう、すさまじげなり。
傍線部(ア)~ (エ)の読みを、現代仮名遣いで記せ。
織
往去〉
二傍線部(a)(b)にふさわしい漢字を、後から選んで答えよ。〈折・居・
三 傍線部①はどういう意味か、次から選び記号で答えよ。
ア早くからつめかけて来た人々
イ まっさきにかけつけて来た人々
ウ以前から主人と懇意であった人々
以前にこの家の主人に仕えていた人々
問四傍線部②について、なぜ問えないのか、次から選び記号で答えよ。
ア 寒いので話すのも億劫だから
イ事情がよくのみ込めないから
ウ聞くまでもなく結果がわかったから
エ聞きたいが身分違いだから
問五傍線部③の説明として適するものを次から選び、記号で答えよ。
ア前司とは前の国司ということで、何国のもと国司ですよ、と言っている。
前司とは国司のことで、何かしら国司になることができましたよ、と言っている。
ウ前司とは前々から望んでいた官職のことで、望んでいた何国の前司ですよ、と言っている。
エ前司とは以前勤めたことのある国司のことで、以前と同じ国司ですよ、と言っている。
十五字程度で答えよ。
傍線部「来年の国々」とは、どういう意味か。
問六
問七傍線部⑤の意味を、次から選び記号で答えよ。
アから元気をつけて歩きまわっているのも イ気がゆるんでぶらぶらしているのも
ウがっかりしてうつろに歩いているのも
張り切って歩いているのも
問八
「除目に司得ぬ人」と主従関係にある人々は、大きく二組に書き分けられている。その対照的な二組を、本文中
から九字と五字で抜き出せ。
問九
「すさまじきもの」の事例として該当するものを、次から選び記号で答えよ。
ア博士のうち続き女児生ませたる イ硯に紙の入りてすられたる
ウ姑に思はるる嫁の君
問十 この文章が収録されている随筆の作品名と、その作者名、成立年代を答えよ。
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