もの
あんやう
は しんそうづ
横川の恵心僧都の妹
女養の尼上のもとに、強盗入りて、あるほどの物の具、みな取りて出でければ
は紙会といふものばかり、ひき着ておられたりけるに、姉なるのもとに小尼上とてありけるが、走り参
たてまつ
こそで
て見れば、小袖をひとつ落としたりけるを、 これ落として侍るなり。奉れ」とて、持て来たりければ、
ぬし
それを取りてのちは、わが物とこそ思ひつらめ。 主の心ゆかぬものをば、いかが着るべき。 いまだ、
ふも遠くは行かじ。 とくとく持ておはして取らせたまへ」とありければ、門戸のかたへ走り出でて、「やや」
と呼び返して、「これを落とされにけり。たしかに奉らん」と言ひければ、盗人ども立ち止まりて、しばし
案じたる気色にて、「あしく参りにけり」とて、取りける物どもを、さながら返し置きて、帰りにけり。
5
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基本文法
線a~fの数
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というがい
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