【用言活用表]
「にくきもの」
一年()組(三t)番 氏名(藤代掲極
(1) にくきもの、急ぐ事(2)ある折に(3)来て、長言(4)ずるまらうど。
(5)あなづりやすき人ならば、「後に。」とても(6)やりつべけれど
(7)心恥づかしき人、いとにくく(8)むつかし。
視に髪の入りて磨られたる。また、墨の中に、石のきしきしと(9)きしみ鳴り
(10)にはかに(11)わづらふ人のあるに、験者(12)もとむるに、例ある」
所に(13)なくて、ほかに尋ね歩くほど、いと待ち遠に(14)久しきに、からう
じて(15)待ちつけて、喜びながら(16)加持せさするに、このごろ物の怪に一
あづかりて困じにけるにや、(17)ゐるままにすなはち眠り声なる、いとにくし。
眠たしと思ひて臥したるに、蚊の細声に (18)わびしげに名のりて、顔のほどに
(19)飛び歩く。羽風さへその身のほどにあるこそ、いと(20)にくけれ。
鼻ひて(21)踊文する。おほかた、人の家の男主ならでは高く鼻ひたる、いとに
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蚕もいとにくし。衣の下に躍り歩きて、もたぐるやうにする。犬のもろ声に長々
と鳴きあげたる、(22)まがまがしくさへにくし。
(23)開けて(24)出で入る所、たてぬ人、いとにくし。