第3問 次の文章は、親の勧める縁談にも関心を示さず出家を志向する男君(中納言)と葎の宿の女君(本文では「女」)との恋を
描いた『八重葎』の一節である。男君が、偶然通りかかった葎の宿から聞こえる琴の音に惹かれて立ち寄り、その家の女君と語
らい合ってそのまま一夜を過ごす。本文は、それに続く場面である。これを読んで、後の問い (問1~5) に答えよ。なお、設問
の都合で本文の段落に 5の番号を付してある。(配点 50)
やりみづ
うづ
なら
こが
かうぶりなほし
もみぢ
冬立つままに、日にいくたびか晴れ、曇り、時雨るる木枯らしにうち散りたる楢の葉は、 遣水も見えず埋みて、山里の心地
してをかしきを、そよめきわたり入り給ふに、今もさと吹き出づる風にはらはらと散りて、御冠 直衣の袖にとまる紅葉のを
(注1)
きさらぎ
かしきを、かれ見給へ。二月の雪こそ衣には落づて さま変へるわざなりや」と、拡ひ給ふ。紫の濃き直衣に映え給へる
手つき、顔の頃びの愛数は、女もをかして見給ふらむかし、例の「こまかにうち語らひき世をきへかけて開いたまふく
しの
2 いかで名乗りし給へ。かばかりになりぬれば、いかなりともおろかに思ふべき仲の契りかは」と、ゆかしがり給ふに、忍
かけて
(注2)
言うのも
び過ぐすべきにはあらねど、言ひ出でむことの慎ましう恥づかしければ、「木の丸殿に待らばこそ」と言ふもればかなだちてを
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かし。
むらさき
「おぼつかな誰が植ゑそめて紫の心を砕くつまとなりけん/
なほ聞こえ給へ。かう隔てたまふは、行く末長かるまじき心と疑ひ給ふや。君によりてを、遠き恋路の苦しさをも馴らひたれ
ば、ましていつ知るべきし心そ」と、のたまへど、
きめ
ふゆがみぎは
「冬枯の汀に残る素はあるにもあらぬ根ざしなりけり」
と、ほのかに言ふ。
むさしの
「あやし、この紫こそ武蔵野のにも劣るまじうなつかしけれ」と、戯れ給ふもいとをかし。
たはぶ
と多かるべし。いま~してください。
(7.)
[あだ
くだ
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あだるいつものように
2sexmo
まろどの
$$7.
7.941
94
あてにする
な
反応する
34