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SS
しさや合理性をバランスよく表現できる国としての自意識を携えて、未来に向かうことが
できる。
の呼代
生産技術は現在、アジア全域、そして世界全域に等しく広がっていく時代を迎えている。
自国におけるもの作りの空洞化を憂えている暇はない。ものの生産においては、量よりも
自国におけるもの作
りの空洞化」とは、ど
のような状況のことか
ふべと、はっきりと重心をシフトしていくことを考えなくてはならない。さらには、工業
生産と同時に、恵まれた自然環境にも目を向け、サービスやホスピタリティの局面にも資
8ホスピタリティ
源としての美意識を振り向けていくことが重要である。そうすることで、自然をハイテク
hospitality(語)。心
の込もったもてなし。
ノロジーと感性の両面から運用できる、新しいタイプの環境立国として日本はその存在を
示していくことができると思うのだ。石油は産しないが、温泉はいたるところに湧き出し
ている。住まいやオフィスの環境も、モビリティや通信文化の洗練も、医療や福祉の細や "
9モビリティ mobility
(英語)。移動や流通の
かさも、ホテルやリゾートの快適さも、美意識を資源とすることで、僕らは経済文化の新
しやすさ
しいステージに立つことができるはずだ
0GDP
中国、そしてインドの台頭はもはや前提として受け入れよう。アジアの時代なのだ。僕
gross domestic product
(英語)
国内総生産。
ニoココ調 十八世紀に
らは高度成長の頃より、いつしかGDPを誇りに思うようになっていたが、そろそろ、そ
フランスで発展した美
術様式。装飾的で曲線
S0~
の呪縛から逃れるときが来たようだ。GDPは人口の多い国に譲り渡し、新興の富裕層か
n
教
『クールな位置」とは、
と先を見つめたい。アジアの東の端というクールな位置から、異文化との濃密な接触や刺
どのようなことか
隣を経た後にのみ到達できる極まった洗練を目指さなくてはならない
技術も生活も芸術も、その成長点の先端には、微細に打ち震えながら世界や未来を繊細
目を凝らすのだ。世界は美意識で競い合っ
空洞化台頭 呪縛 専
目を凝らす