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「異文化の根っこ』 松本仁一
の
論旨の構造 チェック
B アフリカ特派員時代、→マサイの伝統的な生活が見たくて「2 ケニアの(3サバンナを訪一
れた。出会った遊牧のマサイ青年たちに同行を認めてもらい、彼らと一緒に野宿した。その翌朝、
日~日 体験談·意見一
(環郷森)
|が見たくて一
マサイの一
生き血の接待にあずかったのである。
の接待」
ケニアのサバンナを訪れ|
にあずかった一
2伝統的な生活をするマサイの人々は、野菜や穀物をいっさい口にしない。土から生えてくるも
のは不浄だとする教えがあるからだ。食べるのは肉、乳、血だけである。それでも 即気や
《王,百)
サバンナでは、雨が年間に一
(E)壊血症のようなビタミン欠乏症にならないのは、牛が草を食べてとったビタミンを生き血か
ら摂取しているためだった。
3 細菌の恐れがある牛の血など飲まず、新鮮な野菜を食べればいいではないか。穀物や野菜は不
浄だなどという不合理な考えは捨てて……。そこまで考えてハッとした。
しか降らない
f
|を飲むのは
マサイが住むサバンナでは、雨が年間に三百ミリ程度しか降らない。平均千八百ミリといわれ
る日本の六分の一以下だ。そんな土地で農耕に依存する生活を始めたら最後、たちまち干ばつに一
悩まされることになる。民族の存亡にも関わる問題だ。そのため彼らは、「土から生えるものは
不浄だ」という教えで農業を遠ざけ、遊牧の生活に依拠しているのではないか。牛の生き血一
を飲むのは、野蛮で未開だからではない。そうしなければ生きていけない環境に住む人々の、生一
だからではない一
そうしなければ一
環境に住む人々の、
|だった
《体験談》
アフリカ南西部のガボンで一
知らずに一
|を食べてしまった
活の知恵だった。
牛の血だけではない。アフリカ南西部の(16)ガボンでは、知らずにサルを食べてしまったこ」
とがある。食事がすんでから、シチューの中身がサルの肉だったことを教えられた。なぜガボン」
(端冊·回)
ガボンは熱帯雨林帯にあり、年間降水量が
に達する
の人々はサルなど食べるのだろう。
回 サバンナと逆に、ガボンは熱帯雨林帯にあり、年間降水量が五千ミリに達する。ちょっと奥地」
|ため、密林の中で
|を手に入れなければならない
に入ると巨大な樹木がびっしり密生しており、農業をしたり、牛や羊を飼うような開けた土地を一
確保するのはむずかしい。人々は生きていくため、密林の中でたんぱく質を手に入れなければな一
Z~ 見聞·意見
それがサルだった」
らない。密林のたんぱく質||それがサルだったのだ。 で
一方でアフリカには「食べない文化」もある。イスラム圏の豚肉だ。
支局の助手君に、なぜ豚肉を食べないのか聞いてみた。「コーランにそう書いてあるからです」
回 しかし君はビールを飲むし、エビやイカを食べている。コーランはそれも禁じているではない
か。「豚肉は特別です。腐りやすいし、汚い物を食べて育つから不潔なのです」
ユダヤ教も豚肉を食べないのは同じだ。ある日、ユダヤ人の知人から「了反錫しない動物一
は食べられないことになっている」と聞いて合点がいった
(国)
食べない文化」もある
t
|も豚肉を食べない
(意見·主張〉
日 牛や羊、ヤギ、ラクダなどの反錫する動物は、草を食べて消化する能力がある。人間は草を消一
化できないから食べない。したがって、牛と人間が食物をめぐって競合することはない。しかし
|が生まれた土一
地は砂漠の一
反錫しない豚は草を食べることができず、穀物を食べる。したがって人間と競合する。
四ユダヤ教やイスラム教が生まれた土地は砂漠の荒れ地だ。苦労してつくったわずかな穀物を、
豚に取られてはたまらない。豚肉は、牛肉や羊肉にくらべてくさみがなく、やわらかい。権力者」
や金持ちは、庶民から穀物を奪ってでも豚を育てようとするかもしれない。それを防ぐために
豚を食べてはいけない」と教えたのではないかー。
穀物を、豚に取られてはたまらない
園
権力者や金持ちは
庶民から
とするかもしれない
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でも豚を育てよう
(裏面に続く)
と教えた一
のではないか
『異文化の根っこ」 松本仁一
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難易度
| 時間
| 20分
入門編第2版