現代文
高校生

最後の方丈記で結局何か言いたいのかわかりません…
教えてください!🙇‍♂️

合計 … 山(野門 …百字要約部 本文分析 『R ー) : H 企 の二角 な日 S 生命工学の現状 電亜で 生物と文学のあいだ 文章I】は生物学者福岡伸一による生物の「動的平衡」についての文章、【文章=】はそれを読んだ作家の川上未映子と福岡伸一の対談である。 [文章I] 1日本が太平洋戦争への道を進もうとしていた頃、ナチスから逃れたひとりのユダヤ人科学者が米国に来た。ルドルフ·シェーンハイマーで ある。彼は、アイソトープ(同位体)を使ってアミノ酸に標識をつけた。そして、これをネズ"に三日間、食べさせてみたのである。アミノ 酸は体内で燃やされてエネルギーとなり、燃えかすは呼気や尿となって速やかに排池されるだろうと彼は予想した。アイソトープ標識は分子 の行方をトレースするのに好都合な目印となる。結果は予想を鮮やかに裏切っていた。食べた標識アミノ酸は瞬く間に全身に散らばり、そ の半分以上が、脳、筋肉、消化管、肝臓、膝臓、牌臓、血液などありとあらゆる臓器や組織を構成するタンパク質の一部となっていた。三日 の間、ネズミの体重は増えていない。 すいぞう」 2これは一体何を意味しているのか。ネズミの身体を構成していたタンパク質は、三日間のうちにその約半分が食事由来のアミノ酸によって がらりと置き換えられ、もとあった半分は捨て去られた、ということである。標識アミノ酸は、インクを川に落としたごとく、流れの存在 と速さを目に見えるものにした。つまり、私たちの生命を構成している分子は、プラモデルのような静的なパーツではなく、例外なく絶え間 ない分解と再構成のダイナミズムの中にあるという画期的な大発見がこのときなされたのだった。全く比除ではなく生命は行く川のごとく流 れの中にある。そして、さらに重要なことは、この分子の流れは、流れながらも全体としで秩序を維持するため相互に関係性を保っていると いうことだった。シェーンハイマーは、この生命の特異な在すょうに「動的な平衡」という素敵な名前をつけた。 3それまでのデカルト的な機械論的生命観に対して、還元論的な分子レベルの解像度を保ちながら、コペルニクス的転換をもたらしたこの シェーンハイマーの業績は、ある意味で二十世紀最大の科学的発見と呼ぶことができると私は思う。しかし、皮肉にも、当時彼のすぐ近くに いたエイブリーによる遺伝物質としての核酸の発見、ついでそれが二重らせんをとっていることが明らかにされ、分子生物学時代の幕が切っ て落とされると、シェーンハイマーの名は次第に歴史の澱に沈んでいった。それと軌を一にして、再び、生命はミクロな分子パーツからなる 精巧なプラモデルとして捉えられ、それを操作対象として扱いうるという考え方が支配的になっていく。 4ひるがえって今日、臓器を入れ換え、細胞の分化をリセットし、遺伝子を切り貼りして生命操作をするレベルまで至った科学·技術,医療 の在り方を目の当たりにし、私たちは現在、なかば立ちす 極端なまでに捨象されている。それゆえにこそ、シェーンハイマーの動的平衡論に立ち返ってこれらの諸問題をいま一度見直してみることは、" 閉塞しがちな私たちの生命観·環境観に新しい示唆を与えてくれるのではないだろうか。 こいる。ここでは、流れながらも関係性を保つ動的な平衡系としての生命観は
年 5彼の理論を拡張すれば、環境にあるすべての分子は私たち生命体の中を通り抜け、また環境へと戻る大循環の中にあり、どの局面をとっ てもそこには平衡を保ったネットワークが存在していると考えられる。平衡状態にあるネットワークの一部分を切り取って他の部分と入れ換」 えたり、局所的な加速を行うことは、一見、効率を高めているかのように見えて、結局は平衡系に負荷をあたえ、流れを乱すことに帰結する。 実質的に何等に見える部分部分は、それぞれがおかれている動的な平衡系の中でのみその意味と機能をもち、機能単位と見える部分にもその " 実、取り出すべき境界線はない。 6遺伝子組み換え技術が期待されたほど農産物の増収につながらず、臓器移植はいまだ有効な延命医療とはならず、ES細胞はその分化こそ 誘導できても増殖を制御できず、クローン羊ドリーは奇跡的に作出されるも早死にしてしまった。動的平衡の視座に立つとき、これらの事例一 は、バイオテクノロジーがまだ発展途上だからうまくいかないという技術レベルの過渡期性を意味しているのではなく、むしろ 動的な平衡 系としての生命を機械論的に操作するという営為自体の本質的な不可能性を証明しているように私には思えてならない。 * ルドルフ·シェーンハイマー…ドイツ生まれのアメリカの生化学者。一八九八~一九四一。 デカルト…フランスの哲学者。一五九六~一六五〇。 コペルニクス的転換…理論や学説が基本的な部分から大転換すること。 *核酸…生命活動の維持に重要な働きをする物質。 アイソトープ…同じ番号の元素の原子で中性子が異なるもの。 還元論…物質を根源的な要素に分けて分析する考え方 *エイブリー…アメリカの医学研究者。一八七七~一九五五。 ES細胞…すべての組織に分化する能力をもつった細胞。 [文章 ] 川上 うーん。要するに、その考えでは私たちの体って分子の「ムラ」に過ぎないわけですね。濃い部分。あるいは蚊柱みたいなもので、 中にいる蚊(分子)はどんどん入れ替わっている……。 福岡 その通り。しかもその蚊柱の中に、さらにまた臓器、細胞、DNA……とそれぞれ蚊柱が立っている状態です。 川上まさに、入れ子ですね。でもこれが(自分を指さして)ムラであり、分子レベルではどんどん入れ替わって流転する仕組みにあっても、 なぜかやっぱり代えのきかない「私」というものがここにはあって、なにかしらそこには「スペシャルで一度切り」のものがある、それ を経験していると感じざるを得ない感覚があります。科学的な説明が常に取りこぼすしかない現象が起こっているとしか思えないところ があります。いっぼうで、この「スペシャルで一度切り」のものに過剰に意味を置きすぎるのもどうか、という考えもあって、「分子の ムラ」に過ぎないと言われると心情としては妙に落ち着くところもあったり。文学的すぎる感想かもしれませんが、福岡先生の「動的平 衡」の説を読んで、『方丈記』を思い出しました。「ゆく川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」ですね。生と死を繰り返すよ とも流れでしょうが、それ以前に分子レベルで生命は常に流れているわけですね。 6

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