II
ヒトの体内環境の維持には、血液、血管、心臓などの循環系が重要な役割を担って
いる。血液は,赤血球に含まれる (ウ)ヘモグロビンによって酸素の運搬を行っている。
また、心臓の筋肉の収縮は,周期的に興奮する C で発生する電気的信号によって
引き起こされる。 このような心臓の電気的変化を体表からとらえ、時間とともに変化する
ようすを波形として記録したものが, 心電図である。
図1は、健康なヒトの心電図の波形と,心臓の拍動のようすを各時期(第Ⅰ期~第V期
とする)に分類したときの,第Ⅰ期における心臓のようすを模式的に示したものである。
心臓の模式図中の矢印は、血流の向きを示している。 また、表1は、 各時期についての説
明である。一般に,心電図には、P波(エ)QRS波, T渡の三つの波形が現れる。心電図
を用いることで、オ拍数や心臓の異常の有無などを調べることができる。
心電図
P.波
第Ⅰ期
第Ⅱ期
第Ⅲ期
第IV期
第Ⅰ期 第Ⅱ期 第Ⅱ期 第IV期 第Ⅰ期
QRS波
第V期
←あ
あ
←い
T波
OOE 08 08
(財)
イラ
図 1
OS
200
1-08
10人
108
()
←え
P波
100
QRS波
--------
表 1
心房の筋肉が収縮して、心房内の血液が心室に送られる。
心室の筋肉が収縮を開始し,房室弁 (心房と心室の間の弁)が閉じる。
心室の内圧は高まるが, 半月弁 (心室と動脈の間の弁) は閉じたまま。
心室の筋肉が強く収縮し、心室の内圧が動脈の内圧より高くなって半月弁
が開き、血液が送り出される。
しかん
心室の筋肉が弛緩し、半月弁が閉じる。 心室内の容積は一定のまま。
「心房には血液が流入する。
心室の内圧が心房の内圧より低くなり,房室弁が開く。
心房への血液の流入が続く一方で,心房内の血液が心室内に流れ込む。