5 帝国主義の時代へ
大不況から
帝国主義へ
七味か
欧米諸国では重工業を中心に生産力が増大する
とともに, 1873年の大不況をきっかけに企業
の集中・独占がすすんだ。 大企業と大銀行が結合して金融資本が形
けいこう
成され,さまざまな産業を支配した。 この傾向は,アメリカやドイ
ツでとくに強くみられ, 工業生産力でのイギリスの圧倒的優位はく
かくとく
れっきょう
ずれてきた。列強は, 市場と原料の獲得だけでなく, 資本を輸出し
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りじゅん
しょうとつ
利潤を求めるため、 競って海外に向かい, 世界各地で軍事衝突をひ
かくだい
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きおこしながら自国の植民地や勢力圏を拡大していった。 その結果
列強はしだいに対立を深めてゆくとともに, アジア・アフリカ太 10
平洋諸地域はこれら諸国により領土的に分割された。 このような資
本主義の高度に発達した段階と列強の対外膨張策は帝国主義とよば
れる。
ほうちょう