基本例題10 物体をもち上げる力
基本問題 85,88,90
質量 0.50kgのおもりに糸をつけて,(1)~(3) のように,鉛直方向に糸を引いて運動さ
せた。重力加速度の大きさを9.8m/s2として,次の各問に答えよ。
(1) 糸がおもりを引く力が 7.4Nのとき, 加速度はどちら向きに何m/s2 か。
(2) 加速度が鉛直下向きに 5.0m/s2 のとき, 糸がおもりを引く力の大きさは何Nか。
(3) 速度が鉛直下向きに 1.0m/s で一定のとき, 糸がおもりを引く力の大きさは何Nか。
針 おもりが受ける力は,重力と糸の張
力である。これらの力を図示し、鉛直方向 (運動
方向)の力の成分の和 (合力) を求めて,運動方程
式「ma=F」に代入する。 運動方程式を立てると
きの正の向きは,運動の向きにとることが多い。
(1)
(2)
(3)
7.4N
Ta
0.50 x 9.8N
T
15.0.
Vm/s²
0.50 x 9.8N
40 I章 運動とエネルギー
T a=0
0.50×9.8N
1867
解説 (1) 鉛直上向きを正として加速
ZANT
度をaとすると, 運動方程式は,
0.50×a=7.4-0.50×9.8
a =5.0m/s2
鉛直上向きに 5.0m/s
(2) 糸の張力の大きさをT〔N〕とする。鉛直下
向きを正とすると, 運動方程式は,
20
0.50×5.0=0.50×9.8 - T
T=2.4N
(3) 速度が一定なので、 慣性の法則から、おもり
が受ける糸の張力と重力はつりあっている。
重力の大きさは,0.50×9.8=4.9N
したがって,張力の大きさは, 4.9N