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物
234 第4編 電気と磁気
基本例題 90 磁場を横切る金属棒に生じる誘導起電力
レール
a
金属棒
抵抗 R
b
図1のように, 真空中に金属レー
ルが水平に置かれ, その上を金属棒
がなめらかに移動できるようになっ
ている。 金属棒の長さは1〔m〕 で,
レールの間隔に等しい。 またレール
面と垂直に, 磁束密度B [T] の磁場
が加えられている。 レールの方向を
x軸, 金属棒の方向をy軸とする。
磁場の向きはz軸の正の向き ( 紙面
裏から表の向き)である。
a
E-
b
b
図2
図3
また、金属棒の抵抗は R [Ω] である。
〔A〕 図2のように,端子 a,b 間に起電力 E〔V〕 の電池(内部抵抗0) を接続した
ところ,金属棒は動き始めた。金属棒がx軸の正の向きに速さ” 〔m/s]で動い
ているとき
(1) 金属棒の両端に発生する誘導起電力の大きさ V 〔V〕 を求めよ。
(2) 金属棒に流れる電流の大きさ I [A] と向きを求めよ。
(3) 金属棒に加わる力の大きさF [N] を求めよ。
十分長い時間が経過し, 金属棒の速さは一定になった。 このとき
(4) 金属棒の速さv 〔m/s] を求めよ。
〔B〕 図3のように, 端子 a, b間に固定抵抗 [Ω] を接続し, 金属棒に外部から力
r
を加えて動かした。
金属棒がx軸の正の向きに速さ 〔m/s] で動いているとき
(5) 金属棒に流れる電流の大きさ I' 〔A〕 と向きを求めよ。
指針 磁場を垂直に横切る金属棒に生じる誘導起電力の大きさはBl〔V〕 である。
向きは、レンツの法則と右ねじの法則とから判断する。
解答 [A] Z軸の負の向きの磁場をつくる
向きに誘導起電力 Vが発生 (レンツ
の法則)。 Vの向きはEの向きと反
対になる (右ねじの法則)。
(1) V = vBl〔V〕
(2) キルヒホッフの法則ⅡIより
E-V=RI
E-vBl
よってI=-
(A),
R
軸の正の向き
(3) F=IBI=(E=UBI) BI (N)
R
C
2
図 1
>>431,432
B
◎ 磁場
軸の
正の向き
ひ
(4) 力Fはx軸の正の向きにはたらき(フ
レミングの左手の法則), 棒は加速さ
れ”の増加とともにVも増す。 V
がEに達すると, ② ③ 式より I=0,
F = 0 となり,以後, 速さはvo で一定
になる。
③式で,v=vのとき F=0 より
E-vBl=0
E
よって vo= - (m/s)
BU
〔B〕 (5) 誘導起電力の向きと大きさは 〔A〕
と同じなのでV=BL〔V〕
UBU
I'=
〔A〕,y軸の負の向き
R+r