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27. 有機化合物の反応と推定 ① [2006 東京農工大]
炭素,水素,酸素からなる分子量 250 以下の化合物 A,Bがある。 化合物 A,Bの分
子式は同一で,A,Bは互いに構造異性体の関係にあるが,不斉炭素原子は存在しない。
化合物 A 24.5 mg を完全に燃焼させることにより,水 19.4mgおよび二酸化炭素 56.7
mgがそれぞれ得られた。 化合物 A50.0mgを完全に加水分解したところ,化合物 C
25.4 mg,化合物 D 13.2mg, および化合物 E19.2mg がそれぞれ得られた。 同様に化
合物 B50.0 mg を完全に加水分解したところ,化合物D 13.2mg,化合物 F 25.4mg,
および化合物 G 19.2mg がそれぞれ得られた。 化合物 C, D, E, F, Gは全て水に溶
け,化合物 C,F の水溶液は弱い酸性を示した。 化合物 D,E,Gは不飽和結合をもた
ない炭素数2以上の化合物で,それらの水溶液は中性であった。
ここで加水分解により切断された結合は,エステル結合である。 エステル結合を有す
る化合物の一つとして油脂があり, 油脂に水酸化ナトリウム水溶液を加え加熱すると,
けん化されて(ア)[
| が生成する。
| のナトリウム塩と (イ)
化合物 D, E, Gをニクロム酸カリウムの希硫酸溶液でおだやかに酸化すると, D, G
から化合物 H, Iがそれぞれ得られたが, Eは酸化されなかった。 化合物 H をアンモニ
ア性硝酸銀水溶液中に加えて60℃まで温めたところ, 銀が析出したが,化合物 Iを同
様に処理しても銀は析出しなかった。 化合物 C, F を別々に試験管に入れて加熱したと
ころ, Cからは脱水生成物が得られたが,Fからは脱水生成物が得られなかった。 1.0
molのCあるいはFは, 臭素 1.0mol と反応してそれぞれ付加生成物を与えた。
H=1.0,C=12,0=16
(1) (ア) にあてはまる語句と, (イ) にあてはまる化合物名を書け。
(2) 分子中に不斉炭素原子をもつ化合物には, 立体異性体が存在する。この立体異性体
を何とよぶか。
]
(3) 下線部の事実は、 化合物 CとFがその立体構造に基づく異性体の関係にあることに
起因している。このような立体異性体を何とよぶか。
(4) 化合物 A, B, C, D, E, F, G の分子式を書け。
A[
D[
GL
]
B[
]
E
]
(5) 化合物 A, B, H, I の構造式を書け。
] a
]
F[