例題2-6
第2章 気体分子の運動
151
熱気球
解答
熱を伝えない材料で作った気球がある。 気球は,内部の圧力と外部の圧
力が等しくなるように、抵抗なく膨らんだり、縮んだりすることができる。
また,気球内には加熱用のヒーターが取りつけてある。この気球にヘリウ
ムガスをm 〔kg〕 だけ入れて密閉する。 はじめ,ヘリウムガスの温度は
To [K] で, 気球の体積は Vo〔m〕 であった。
気球自身の質量とヒーターの質量の和を2m 〔kg〕 とし, 大気圧を
Po 〔Pa], 大気の密度を po〔kg/m3], 重力加速度の大きさをg〔m/s2] と
する。 次の問いに答えよ。
(1) はじめの状態で気球にはたらく浮力の大きさ F。 〔N〕 を求めよ。
(2) ヒーターでヘリウムガスをゆっくりと加熱したところ, 気球が空中に
浮かんだ。 このときのヘリウムガスの温度T] [K] と気球の体積
V] [m] を求めよ。
ETS
(1) 浮力の大きさは、 同体積の大気にはたらく重力の大きさと等しい。 (p.68)
Fo= poVog 〔N〕
(2) 気球およびヒーターにはたらく重力 2mg 〔N〕 と気球内のヘリウムガスにはたらく重
力mg 〔N〕 と浮力 po Vig 〔N〕 がつり合う。
2mg+mg = po Vig
3m
Po
V₁₁ = (m³]
この間のヘリウムガスの圧力は一定なので, シャルルの法則が成り立つ。
Vo_V1
To T₁
T₁
-To=
Vo
=V₁T=3m To (K)
00Vo
(S)