発展例題17 鉛直面内での円運動
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図のような傾斜軌道を下り, 半径rの円形のレール
を滑走する台車について考える。 台車の質量をm, 重
力加速度の大きさをgとし, 台車は質点として扱い,
台車とレールとの間の摩擦を無視する。
(1) 台車の出発点Aの高さをんとし, レールの円形
部分の頂点をCとする。 ∠COB が 0 となる点Bで ,
Onia2 h
レールが台車におよぼす力の大きさNを求めよ。 CORVE
(2) 台車が点Cを通過するための,出発点の高さんの最小値ん。 を求めよ。
指針 (1) 力学的エネルギー保存の法則
を用いて,点Bでの速さを求め,台車の半径方
向の運動方程式を立てる。
(2) (1) の結果を利用する。 点Cで N≧0であれ
ば,台車は点Cを通過できる。 すなわち, 高さ
ん。 から出発したとき, 点CでN=0 となる。
解説 (1) 点Bの高さ
は,図から,r(1+cose) と
表される。 点Bでの速さを
ひとし,水平面を基準の高
さとして, AとBとで, カ
学的エネルギー保存の法則
を用いると,
mgh=mv²+mgr (1+cose).
地上から見ると, 点Bにおいて台車が受ける力
は,重力, 垂直抗力である。 重力の半径方向の
成分の大きさは mg coseであり, 半径方向の
rcoso
0
N
B:
mg
mg coso
A
m
発展問題 212, 213,214
800 CIS
ROB
0
O
運動方程式は
v²
matth
img cos0+N...②
r
式 ①② から” を消去し, N を求めると
Jalmal Un
JAD
mg
N=- (2h-2r-3r cos0)
(2) 点Cでの垂直抗力Nは,(1) のNに 0 = 0 を
代入した値で表される。 また, 求める高さん。 は,
点CでN=0 になるときの値である。 (1) の結
LATAR 5
果から,20m2h-5r)
ho=-
FCC r.
Q Point
<Point ho=5r/2のとき, 点Cで台車の速
さが0となるわけではなく, ん。 は,力学的エネ
ルギー保存の法則だけでは求められない。
N = 0 となるとき, 台車は, 点Cで重力を向心
力とする円運動をしている。