286 第5章 データの分析
[考え方
例題 143
代表値と度数分布表(2)
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たもので,各生徒の得点は明らかではない. このとき, 次の問いに答えよ。
次の表は、生徒40人の試験の得点 ( 0以上の整数)の累積度数をまとめ
「得点(点)90以上 80以上70以上 60以上50以上 40以上 30 以上 20以上
39
40
度数(人)
0
3
12
26
32
36
(1)80点以上90点未満を1つの階級として,各階級値に対する度数分
布表を作成せよ.
(2) (1)で作成した度数分布表における平均値を求めよ.
(3)生徒 40 人の実際の得点の平均値の最大値と最小値を求めよ.
(3) データの平均値xの最大値と最小値は,
最大 (小) 値: 各データの値が各階級の最大(小) 値をとったときの平均値
階級値(点) 85 75 65 55 45 35 25
解答 (1)
度数(人)
3
9 14
3
4
6
1
(2)平均値は,
1
40
2480
=
40
階級値は各階級の両
端の平均値である。
(85×3+75×9+65×14 +55×6+45×4 +35×3+25×1)
=62(点)
(別解) 仮平均を最頻値65点とすると,平均値は,
1
65+{20×3+10×9+0×14+(-10)×6+(-20)×4
40
+(-30)×3+(-40)×1}
|=65-
120=65-3=62(点)
40
(3)各データの値が各階級の最大値をとるとき, すなわち, 各データの値が各
階級の階級値より4点だけ大きい値となるとき, 平均値は最大となるから、
平均値の最大値は,
62+4=66(点)
同様に,各データの値が各階級の階級値より5点だけ小さい値となるとき
平均値は最小となるから, 平均値の最小値は,
62-5=57 (点)
注》 仮平均は最頻値や中央値に近い数にとることが多い. また, 平均値を実際のデータか
ら求めたときと,度数分布表から求めたときとでは,必ずしも結果は一致しない。