486. アスピリン■ヤナギの鎮痛作用は古くから知られていた。 ヤナギから得られるサリ
シンは2段階の反応を経て,有効成分である化合物Aとなる。また,ナトリウム塩であ
る化合物Bを高温・高圧下で二酸化炭素と反応させると化合物Cが得られ,これを酸で
処理すると化合物Aが得られる。しかし,常温・常圧下で化合物Bの水溶液に二酸化炭
素を通じると化合物Aは得られず, フェノールが得られる。 メタノールに化合物Aを溶
かし,濃硫酸を加えて加熱すると化合物Dが合成できる。 化合物Aは副作 用が強いため,
その作用を軽減したアスピリン (化合物E) が開発された。 アスピリンは,化合物Aを無
水酢酸と加熱して得られる。