A 縮合重合開環重合による合成繊維
-p.354
る高分子化合物をポリアミドという。このとき, アミンのNH2とか
●ポリアミド系繊維 多価アミンと多価カルボン酸の縮合重合で得られ
ルボン酸のCOOH の脱水縮合によって, アミド結合 -NH-CO- がで
polyamide アミド結合 もつ
きている。鎖状のポリアミドを繊維にしたものをポリアミド系繊維と
いう。
(1) ナイロン 66 ヘキサメチレンジアミン H2N- (CH2)6-NH2とアジ
エン酸 HOOC-CH2) 4-COOH の縮合重合によって, 鎖状の高分子化合
1
物であるナイロン66(6,6-ナイロン)が得られる。
sunylon
p.397 コラム
"H-N-CH2)6-N-H + "HO-C-(CH2)4-C-OH
T
H
I
ce
(C63
C650
H
メチレンジアミン
アジピン酸
-CH2
NH₂
アミド結合
縮合重合
-N-(CH2)6-N-C+(CH2)4-C+
| ||
H
HO
ナイロン66
△実験 21 ナイロン66をつくってみよう(p.399)。
(2)ナイロン6 環状のアミドであるカプロラ
クタムに少量の水を加えて加熱すると,環がア
ミド結合の部分で開いて次々と結合し、鎖状の
高分子化合物である ナイロン6 が得られる。
3
かいかん
また,このような重合方法を開環重合という。
+ 2H2O (1)
図3 釣り糸(ナイロン)
ring-opening polymerization
CH2
H2C
CH2
+H₂O
+C-(CH2)5-N+
nH2C.
CH2
II
(2)
開環重合
0
H
N+C
カプロラクタム
HO
ナイロン 6
環状
15
単量体のアミンのC原子の数が6, カルボン酸のC原子の数が6であることから、順
に数字を並べてナイロン66 とよばれる。
(1)式の右辺を,分子の両端のH-OH を明示して,次のように書くこともできる。
H+NH-(CH2)6-NH-CO-(CH2)CO+, OH + (2n-1)H2O
通常, nは非常に大きいので,本書では分子の両端を無視して (1) 式のように書く。
3 ナイロン6 の製造法は, 1941年に日本で開発された。
398 第5編 高分子化合物