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第2章 複素数と方程式
標問 22
判別式
a b を実数の定数とするとき
r'+y'+axy+b(x+y)+1=0
について考える. 以下の問いに答えよ.
(*)
α-2<0 より 求める条件は
-462+4(a+2)≦0
すなわち
J SE 55
MOORCONS
ES
1% 0=8 +0+ (0)
62≧a+2
2次方程式 ax2+bx+c=0(a≠0) の解は
x=
-b±√b2-4ac
2a
であり, a,b,cが実数のとき,D=62-4ac の符号により
(2) 2<a<2 とする.(*)をみたす実数x, y が存在するための条件をα b
(1) 実数y を固定したとき,についての2次方程式(*)が実数解をもつため
の条件をα by を用いて表せ .
研究
(岐阜大)
を用いて表せ.
→精講
(1) について式を整理します .
(*)は,実数係数の2次方程式ですか
解法のプロセス
(1) 実数係数の2次方程式が実
数解をもつ
ら
実数解をもつ (判別式) ≧ 0
が成り立ちます。
(2) (1)で実数が存在する条件をおさえてある
ので、あとは実数y が存在する条件を求めます。
(1)で得た不等式を」についての2次関数のグラフ
として考えるとよいでしょう. 条件 -2<a<2
はこのグラフが上に凸であることを示しています.
<解答
(1)yは固定されている. (*)をæについて整理すると
2+(ay+b)x+y+ by + 1 = 0
↓
(判別式) 0
(2) 2次関数f(y) のグラフが
上に凸であるとき
f(y) ≧0 をみたす実数が
存在する
↓
f(y)=0 の (判別式) 0
判別式をDとおくと, (*)が実数解をもつための条件は, D≧0 である.
D=(ay+b)2-4(y2 + by +1) より
(a²-4)y°+26(a-2)y+62-4≧0
......①
(2) 2<a<2 のとき,不等式① をみたすyが存在するための a, b の条件を求
めればよい.
f(y)=(a²-4)y2+2b(a-2)y +62-4 とおくと,-2<a<2であるから
a-4<0 であり,f(y) のグラフは上に凸である.
したがって,f(y)≧0 をみたす実数yが存在するための
a,b の条件はf(y)=0の (判別式)≧0 である.
b2(a-2)-(a2-4)(62-4)≥0
..(a-2){62(a-2)-(a+2)(62-4)}0
..(a-2){-462+4 (a+2)}≧0
D>0 ⇔ 異なる2つの実数解をもつ
D=0 ⇔ 重解をもつ
D<0
異なる2つの虚数解をもつ
といった具合に解を判別することができる.
a,b,c のいずれかが虚数のときは,判別式により, 重解であるか否かの
判別は 62-4ac = 0, 0 により可能であるが, 実数解をもつか否かの判別
はできない. 注意が必要である.
例えば, 虚数を係数にもつ2次方程式
x2-2ix-2=0
の判別式をDとおくと
D
MC
=(-i)-(-2)=-1+2=1 (D≠0 より重解でないことが分かる)
判別式は正であるが, 解の公式より
x=i±√1=i±1
であり,実数解をもたない.さらに, 方程式
2-(1+i)x+i = 0 である。
は 2-(1+i)x+i=(x-1)(x-i) と変形されるから
x=1, i と 実数解と虚数解が共存する.
虚数を係数にもつ2次方程式については演習問題 30-130-2 も参照
せよ. 標問 109では3次方程式の判別式についても扱っている.
+
y
演習問題
A
22
整数とし, 2次方程式(k+7)'-2(k+4)x+2k=0 が異なる2つ
(中京大)
の実数解をもつとき,kの最小値および最大値を求めよ.
第2章