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264 第7章 積分法とその応用
標問 117 積分方程式
次の関係式をみたす整式f(x) を求めよ.
(1) f(x)=1+((1-t)f(t)dt
(2) √₁²f(t)dt = xf(x)+x²+x0²³
未知の積分を含む等式を積分方程式
といいます.
○精講
積分方程式には、大まかに2つのタイプがあり,
その解法には一定の手順があります。
Sf(t)dt を含むもの
→ Sof(t)dt=k (定数) とおく.
Sf(t)dt を含むもの →xで微分する.
本問の(1),(2)がそれぞれのタイプに対応してい
ます. (1) の積分の両端が定数タイプのものは,関
数が未知だから, 直接 Sof(t)dt の値を求めるこ
とはできません. しかし, この値はなんらかの定
数となるので,それを適当な文字んでおきかえま
す。
これに対して, (2)の積分の両端のうち少なくと
も一方が変数のタイプは,微分して積分記号をは
ずすことを考えます. その際,
dif(t)dt = f(x)
を使うので,定数項に関する情報が消えます .
Sof(t)dt=0
などを利用して,これを補います.
(1) 与えられた等式は
〈解答
ƒ(x)=1+xſ^ƒ(t) dt—S'tƒ(t) dt
解法のプロセス
Sof(t)dt
(東北学院大 )
(学習院大)
分方程式
定数んとおく
(1) S(x-t)f(t) dt
=ax-b
La
↓
= xf²f(t) dt-Stf (t) at
する
(は積分記号の外に出す)
(2) F(x)=f(t) dt
[F'(x)=f(x)
(F(1)=0
2121-130
xを積分記号の外に出す
と変形できる.
Sof(t)dt=a, Sotf(t)dt=6 とおくと
f(x)=1+az-b=ax+(1-b)
である. これより
| a=S₁s (1)dt =[a+ ² + (1-6) ₁] = 2 +1
| b-Sir(t) at = a + (1-6). ] = +
+1-6
2
(a+26=2
l2a-96=-3
12
6
よって, f(x)=1/3x+- 13
(2) 両辺をxで微分して
12
13'
f(x)={f(x)+xf'(x)}+2x+3x2
.. xf'(x)+2x+3.²=0
(f'(x)+2+3x) = 0
任意のxに対してこの等式が成り立つことから
f'(x)=-3.x-2
与えられた式でx=1 とおくと
f(1)+2=0 ... f(1)=-2
ゆえに
(4)
3
:. f(x)=2x²-2x+C (CH)
3
2-2+C=-2
3
3
よって、f(x)=12/22-2x+1/2
b= 7
13
0531 265
2
演習問題
(117
(1) f(x)=2x+120'f(x)dz
(2) f(x)=x-2f\f(t)\dt
(3)_ƒ(x)=x³+x²+S²_₁₂(x− t)²ƒ (t) dt
積の微分 (数学ⅢI)
{f(r)g(x)}
=f'(r) g(x)+f(x) g' (x)
10
◆積分 Sff(t)dt を消すために,
m=1 とおく
次の関係式をみたす整式f(x), g(x) を求めよ.
f(x)=1+S*g(t)dt, g(x)=x(x−1)+Sª,f(t)}dt
岡山理大)
(秋田大)
(島根大)
(慶大)