-
問傍線部
の解釈と
次の文章を読んで、下の問いに答えよ。
ちから、それぞれ一つずつ
(注2)
さて遍昭が後には、西行にてこそあなれ。東国へ行脚の際に
E
③
鎌倉を過ぎしに、鶴岡にて群衆の中に紛れゐたりしをその人
からの抜群なるにて、朝やがて見とがめて、営中に請じ、弓
馬、和歌の事などとはれしにかの数々然たる、物にすこしも
かからず、思ふままに物語うちして、営中に候ひける三浦
ぎぎぜんくん
そのまま見逃して
●作して
当然目をつけて
S
そのうち目障りに
ただちに非難して
容易には手配でき
急には何もせず
981
(注1)
5
はたけやま
3
3P
drec
畠山をはじめその外の群をも、人なきごとく思ひけり。朝
もさこそとどめたく思はれけめども、拘留せらるうもなく、
まいて引出物などは、なかなか沙汰にも及ばず、 前にありし銀
猫をしばそのまま受けて出づる時、道の辺に遊びる
たる児にとらせてさりぬ。 その後跡をけちて、ふたたび音もせ 10
中途半端に評議
なんの相談もな
なまじを出
どうして
問二 傍線部A「何とて言葉に
串れない
ざけ
(注5)
ただ
そのころ、高雄の文覚といひし豪猛至極の悪、鎌倉の権を
かりて釈門に威を振るかしが、西行か人となりをにくみて、
(注6) しづくしん
木目の前で
「おのれ、もし西行にあひなば、まのあたり辱しめん」と言ひし
150
にある時、西行高雄わたりにて行きくらしける程に、文覚に 15
宿
文覚幸ひとよろこびて、その徒弟に言ひける
をぞかりける。
こぶし
は、「汝ら見よ。西
行かなら打たん」とて、拳を握
しの
て待ちける程に、弟子ども事出で来んとて、疎ましく思ひしに
文覚西行を一目見て、気を奪はれ、しほしほと屈伏しけり。 後
日に弟子ども、「何とて言葉には似給はざりける」と言ひければ20
面まん
文覚「彼がつらだましひを見よ。我をうつべきものなり」と言
ひける。これらにて、その人がら高潔にして、気魄精神ただど
にあらざる事を知るべし。」ただ惜しむべきは、儒道世に行はれ
ざる故に、かやうの人あれども、真の道を知らず。その質の高
なるままに大かた世をいとひて浮図に帰するこそかしけれ
君を捨て親を捨てて仏に帰して、我が身ひとつをたすけ
と思ふは、世をば拾つれども、その心は君にかへ父にかへて
も身を捨ててありけり。身を捨てずしては、世を捨つと
人の生
もいふがら地にありて名利をねがふも、世を捨てて極楽。
をねがふも、清湯はかはれど、身の楽を思ふは同じかるべし。
もとよりの人倫を仮と見れば、君父を捨つるはよし]さ
1
もあらばあれ、ただとても捨つるとならば、第一に身の楽を思
心をも捨ててさて名利に離れて見よかし世をのがるるに
及ばず名教中に自然の楽地あるべし。何ぞ必ずしも人倫を
捨て、事物を離るべき。 人倫を捨て事物を離れて、ただ己が往 3
生極楽をねがふは、世を捨つるといへど、いまだ身を捨てえぬ
より起こりて、楽欲はなはだしともいふべし。
いつ
THI
して最も適当なものを、 次
文覚が、頼朝の賞賛を
いたのに、急にそれを中
文覚が、仏教界の覇権を
たのに、先に敗北を認めた
文覚が、以前から西行
のに、本人に会うなり屈服
文覚が、会見の前には西
見て西行に惚れ込んだこと
文覚が、西行に会う前は
参してしまったことに、
問傍線部B「真の道」につい
すものとして最も適当なもの
れ一つずつ選べ。
武士道 ②和歌の
「我が身ひとつをたす
「世にありて名利をね
「世を捨てて極楽を
④ 「身の楽を思ふ心をも
⑤ 「人倫を捨て事物を離
問四傍線部「何ぞ必ずしも人倫
も適当なものを、次の①~⑤
~
うか。
誰が是非とも人間を捨て、
何のために人間を捨て、事
なぜどうしても人間を捨て
いったい何が人に人間を捨
どうして必ずしも人間を捨
古文 第1回
「雑」による)