く文脈を読んで確定していこう。文脈は「抽象→具体の展開」ですから、続きを読んで具体的に説
明されている方が中心の話題だね。続く文脈では、今回は1の対比が具体化されています。したがっ
①1が構造の中心だと決まります。)
第②段落に入っていきます。文脈は「抽象→具体の展開」ですから「筆者」と「メディア」
の対比の詳しい説明になっているはずです。
私はスポーツを現代社会の重要な大衆文化の一つと考えているし、そんな観点から
A: スポーツは孤立した聖域ではありえないのだ。テレ
一冊の本を書いたことがある。
どのジャーナリストたちも、今の世界でなにが起こっているかを認識していないはず
はない。テロと戦争、国内的にだって連日のように暴力的な事件が起こっているでは
ような平和な祝祭が必要だということだろうか。
ないか。だからこそオリンヒック
そんなことを本気で考えているのではなく、ほとんど建前として繰り返しているにす
ぎない。パトリオット・ミサイルが会場のまわりに配備され、真偽のほどは分からぬが、
ガスマスクを持っていく選手団もいるという話まで伝わってくると、オリンピックが
世界平和にコウケンするなど戯れ言のように聞こえてしまう。
筆者は「スポーツ(ここではオリンピック)」も「(現実社会の状況から) 孤立した聖域ではあり
えない」と言っています。現実社会には戦争や暴力事件がある。オリンピックもそこから孤立して
いるわけではない。それが証拠に、会場にはミサイルが配備され、ガスマスクを持参している選手
がいるという噂まで伝わってくる。まさにオリンピックは現実の象徴です。 現実社会の状況が
そのままオリンピックに表れていると言えます。
ところがメディアは「オリンピックは平和にコウケンする」「平和の祭典だ」などと言う。筆者に
はそれがまるで「戯れ言 (=ふざけ/冗談)」を言っているようにしか感じられない、と言っています。
ここまでを図式にまとめてみましょう。