うみ
11.肺炎球菌の実験 04分
核酸は,1870年頃にミーシャーによりヒトの膿から発見された。核酸
準
の一種である DNA が遺伝子の本体であることは、発見から半世紀以上を経て, グリフィスやエイフリ
ーによる肺炎球菌を用いた研究で明らかになった。肺炎球菌には,ネズミやヒトで肺炎を引き起こす病
原性のS型菌と,非病原性のR型菌とがある。グリフィスは肺炎球菌を用いて,以下の実験1~4を
行った。また,エイブリーはこれらの結果をふまえて, 遺伝子の本体を解明する実験を行った。
【実験 1】 S型菌をネズミに注射するとネズミは肺炎を起こしたが, R型菌を注射した場合は肺を起
こさなかった。
【実験 2) 加熱処理したS型菌をネズミに注射しても, 肺炎を起こさなかった。
【実験 3) 加熱処理したS型菌と生きたR型菌を混ぜてから注射すると, 肺炎を起こすネズミが現れた。
このネズミからは, 生きたS型菌が検出された。
【実験 4】 実験3で得られたS型菌を数世代培養後にネズミに注射すると, 肺炎を起こした。
問1 実験1~4の結果から考察される, S型菌の形質を決定する物質の性質として誤っているものを,
次の0~ のうちから一つ選べ。
0R型菌に移動して,その形質を変化させる。
O 加熱により R型菌の形質を決める物質に変化する。
問2 下線部に関して, 肺炎球菌の形質を決定する物質を特定する決め手となった実験として最も適当
なものを,次の0~6 のうちから一つ選べ。
0 S型菌から抽出した物質の構成成分を定量し,その主成分を決める。
2 S型菌から抽出した物質を DNA 分解酵素で処理した後, 形質転換実験を行う。
S型菌から抽出した物質をタンパク質分解酵素で処理した後, 形質転換実験を行う。
の S型菌から抽出した多糖類を用いて, 形質転換実験を行う。
S型菌から抽出した脂質を用いて, 形質転換実験を行う。
2 熱に対して比較的安定である。
の 遺伝に関係する。
0
(12 埼玉工大 改]
第1編
生物と遺伝子