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B 溶質は濃度の高い方から低い方へと,濃度が均一になる方向に,濃度勾配に従って移動する。
しかし,細胞膜には選択的透過性があるので、小さい分子や疎水性の分子のように膜を通過しや
すいものと,大きい分子や親水性の分子,極性のある分子のように膜を通過しにくいものがある。
例えば、(Naツなどの移動は,細胞内の恒常性の維持とも関わるため,膜にあるタンパク質に
よる調節を受けて,内部の濃度が一定に保たれる。また,水分子は極性をもつが,細胞膜上にあ
るアクアポリンというタンパク質を経由することで,濃度勾配に従って膜を通過する。そのため、
赤血球を高濃度の食塩水に浸すと,Na* は細胞内に流入しないので,内外の濃度が等しくなる
ように細胞内から水が流出し,赤血球は縮む。一方,赤血球を蒸留水のような低濃度の溶液に浸
すと, Na* は細胞外に流出しないので,内外の濃度差が等しくなるように,細胞内に水が流入し、
赤血球は膨れる。
ユキノシタの葉の裏面の表皮をビンセットではがし、その切片を15%スクロース水溶液(条
件 A),または10%エチレングリコール水溶液(条件B)のそれぞれに浸し,その直後およ
び 15分後と 60 分後に表皮細胞を観察したところ, 図1のような変化が見られた。なお, エチレ
ングリコールは疎水性の物質で, その分子量はスクロースに比べ 程度である。また,細胞壁
は水やスクロース, エチレングリコールなど, ほとんどの物質を自由に通過させる。
細胞壁
ユキノシタの表皮細胞
条件A:15%スクロース水溶液中
細胞膜
水溶液に浸した直後
条件B:10%エチレングリコール
水溶液中
15分後
60分後
図 1
問3 表皮細胞は, 15分後には条件 A, 条件Bいずれの水溶液中でも原形質分離を起こしてい
たが,60分後には条件Bの水溶液中ではほとんどの細胞が原形質分離を起こす以前の状態
に復帰していた。この原形質復帰の原因として最も可能性が高いと考えられるものを, 次の
0~6のうちから一つ選べ。
0 エチレングリコールが拡散によって細胞内に入った。
@ グルコースが能動輸送によって細胞内に入った。
水が能動輸送によって細胞内に入った。
0 細胞内の無機塩類が拡散によって細胞外に出た。
6 細胞内の水が能動輸送によって細胞外に出た。
5
SKpo
問4図1の結果より条件Aの水溶液中における細胞内の浸透圧は, 時間とともにどのように
2Kpb
ブンKpb
変化したと考えられるか。グラフとして最も適当なものを, 次の0~6のうちから一つ選選べ
iKpb"S"SKpb
6
0
qdl8.
「SKpb S'3K
上 。
圧
圧
時間→
時間→
時間→
時間→
時間→
ー感網出
○一製透圧
一駆胞出