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思考例題 ⑤ 酵母が行った反応を判断して物質の量的関係を考える
三角フラスコにグルコース溶液 30
mLと酵母1gを入れ, 実験容器内の
気体を窒素ガスに置き換え,発生し
た二酸化炭素の体積を計測した。 表
は 0~100g/L のグルコース溶液を
用いて実験1〜6を行い,発生した
二酸化炭素の体積を実験開始から30
分後および60分後に計測した結果である。 実験 4~6の結果から, ゲルコース濃度が
60~100g/Lの範囲においては、酵母が1時間につくる二酸化炭素の量は変わらないこ
とがわかった。 実験5の条件において, フラスコに入れる酵母の量を2gにした場合,
1時間でつくられる二酸化炭素は何mLか。 この実験では温度と気圧は一定で, 1モル
その気体の体積は24Lであるとし, 原子量はC=12, H=1, O=16 とする。 (関西大改題)
実験 Ⅰ
実験 2
実験 3
実験 4
実験 5
実験 6
グルコース
濃度(g/L)
0
20
40
60
80
100
二酸化炭素発生量(mL)
0~30分
0~60分
0
20
160
180
180
180
180
160
320
1360
2×24×1000mL
360mL
360
360
指針酵母がどのような反応を行ったのかを考え, 1gの酵母が1時間で消費したグ
ルコース量を求める。 それをもとにして酵母が2gになった場合について考える。
次の Step 1~3は,課題を解く手順の例である。 空欄を埋めてその手順を確認しなさい。
Step 1 酵母が1時間に消費できるグルコースの質量を求める
実験容器内を窒素ガスに置き換えているため、酵母は( 1 ) を行わず,(2)発
酵を行った。 実験4〜6で発生する二酸化炭素量が変わらなかったことから、酵母1g
では,360mLの二酸化炭素に相当する量のグルコースしか消費できないことがわかる。
( 2 ) 発酵で二酸化炭素360mL を発生させるのに必要なグルコースの質量は.
〔 ( 2 ) 発酵の反応式] C6H12O6 → 2C2H5OH+2CO2
180g
xg
180: (2×24×1000)=x: 360
x = (180×360) ÷ (2×24×1000) = ( 3 )gである。
Step 2 実験 5 におけるフラスコ内のグルコースの質量を求める
実験5におけるグルコースの質量は, 30mL× (80÷1000)g/mL= ( 4 )g である。
Step 3 酵母の量を2にしたときの実験5における二酸化炭素の発生量を求める
Step 1 から酵母の量を2gにすれば, 1時間で最大 (
5 )のグルコースを消費でき
ることがわかる。 しかし,実験5のフラスコ内のグルコースはこれより少ないため, 1
時間ですべて消費され, ( 4 )gのグルコースに相当する量の二酸化炭素しか発生し
ない。これを踏まえて, Step1と同様に比を用いて180: (2×24×1000)=(4):x
を計算すればよい。
Step の解答 1・・・呼吸 2...アルコール 3.1.35 4.2.4 5.….. 2,7 課題の解答 640mL
4 代謝
107
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