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思考論述
22. 生物の遺伝と進化 進化に関する次の文章を読み, 下の各問いに答えよ。
『進化が起こるためには,個体群中のある個体に ( 1 ) が生じ,その遺伝子が個体群 23
体に広まっていく必要がある。 個体群中のアレルの頻度(遺伝子頻度)を変化させる要因の
1つとして ( 2 ) がある。 ある環境のもとで, 遺伝子型の違いにより表現型の異なる
体間で(3)力や ( 4 ) 力に違いがあれば (3) や (4) に有利な個体の方が、
(2)によって次代に多くの子孫を残す。その結果,個体群中の遺伝子頻度が変化する
ただし, 二倍体生物の場合は(3)や( 4 )に不利なアレルであってもそれが潜
(a)
遺伝子であれば,個体群中に維持されることがある。
一方,アレルのもたらす形質に(3)や(4)に有利・不利がない場合には
(2)は働かないが,(b) 偶然によって遺伝子頻度が変化することがある。生物の個体調
には多数の配偶子ができるが, 次代に伝わるのは一部であるため,交配の際の偶然的な配
偶子の取り出し方によって次代の遺伝子頻度は変化する。 このような偶然による遺伝子
の変化を(5)と呼ぶ。 アレル間のDNAやそこからつくられるタンパク質の分子レ
ベルの違いの多くは,(3)や(4)に有利でも不利でもなく中立で,それらの分子
レベルでの進化の多くは(1)と(5) によって生じるという中立説が提唱されてい
る。
問1.文中の空欄(1)~(5)に最も適する語を答えよ。
問2. 下線部(a)に関して、 病気を引き起こす潜性遺伝子が個体群中に存在する場合がある
ため、近親交配は望ましくない。 図を参考に、文中の空欄ア)~(キ)に最も適
する数値を答えよ。
A
B
通除まのは
問
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Aが常染色体の正常な顕性遺伝子Rと, そのアレルで病気の原
因になる潜性遺伝子をもち (遺伝子型 Rr), B がRを2つもつ
とする (遺伝子型 RR)。 このAとBから生まれた子Cが伝わ
る確率は(ア)となり,さらにCの配偶子がrをもつ 率は
(ア)(イ)=(ウ)となる。 また, Eが遺伝子
となり病気を発症する確率は(エ)となる。
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F
C
D
G
E
個体の親子関係
図
一方, Cと血縁関係にない個体Fとを交配させて子Gをつくらせた場合を考える。 R
の遺伝子頻度を0.99,rの遺伝子頻度を0.01としたとき Fから提供される配偶子の遺
伝子がrとなる確率は(オ)であるため, Gの遺伝子型が となりGが病気を発症
する確率は(カ)となる。つまり、この場合, EはGに比べてキ倍病気を発症
する確率が高くなる。
問3. 下線部(b)に関して、個体群の大きさが小さくなると, 偶然による遺伝子頻度の変化
にどのような影響を与えるか答えよ。
ヒント
問3.個体群が非常に大きいと, 遺伝子頻度は変化しにくい
(静岡大改題)
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1編 生物の進化と系統