思考 追述
□204 酸化的リン酸化 ミトコンドリアには
外膜と内膜があるが,電子伝達系での ATP
合成は内膜で行われる。 内膜における ATP
合成のしくみは,以下の①~③の過程によっ
て行われる。図1はこの過程の一部を示した
ものである。
① クエン酸回路で生じた水素に由来する電
子が,ミトコンドリア内膜に並ぶ電子伝
達系の酵素群で運搬される過程で生じる
エネルギーを利用して,水素イオン(H+)
をマトリックスから膜間腔内膜と外膜
の間の空間) へくみ出す。
H H+ H
電子伝達系の
酵素群
H* H*
H
スペース
内膜
CATP
合成酵素
H*
H*
H+
マトリックス ADP
ATP
拡大図
HA
マトリックス
膜間スペース
-外膜
内膜
|ミトコンドリア
図 1
②膜間スペースの方がマトリックスより水 〔注〕 ミトコンドリアの外膜には,低分子
素イオン濃度が高くなり,内膜をはさん
で水素イオンの濃度勾配ができる。
構がある。
(小さい分子) を自由に透過させる機
③内膜にあるATP合成酵素は, 水素イオンが濃度勾配に従って移動するエネルギー
を利用して, ADP から ATP を合成する。
実験系
ミトコンドリア
溶液 A
(1)細胞から分離,精製したさまざまな基質と適
度な濃度の塩を含む溶液Aに,ミトコンドリ
アを入れた実験系をつくった(図2)。その
結果、直ちに ATP 合成反応が始まったが
一定の時間後に基質がなくなったために,合
成反応は停止した。 実験系の溶液Aの酸素濃
度は時間経過とともにどのように変化する
か。次のA~Fから最も適切なものを選べ。 なお, 溶液Aは空気と遮断してある。
or
図2
B
D
E
F
時間
時間
0
時間
0
時間
0
0
時間
時間
合成速
実験系の溶液Aに酸を入れて溶液の
2