C ストロマで起こる反応 (NADPH, ATPの利用)
ストロマでは、チラコイドの反応で合成され
たNADPH と ATPを用いて, 二酸化炭素が固
定され, 有機物が合成される。 この反応経路は,
多くの酵素が関与する化学反応からなり, カ
かいろ
Calvin cycle
Guide
ガイド
NADPH
光チラコイドで
起こる反応
ストロマで
起こる反応
ATP
葉緑体
177
有機物
ルビン回路と呼ばれる。カルビン回路の反応過程は,二酸化炭素の有機物への固定。
PGAの還元 RuBPの再生の3つの段階に分けることができる。
●二酸化炭素の固定 カルビン回路では,細胞内に取り込まれた二酸化炭素は,まず
Cs化合物であるリブロースビスリン酸 (RuBP) と反応し, C3 化合物であるホスホグ
bulose 1,5-bisphosphate-
phosphoglycerate
リセリン酸 (PGA) 2分子となる。 この反応は, RuBPカルボキシラーゼ/オキシゲナー
ribulose 1,5-bisphosphate carboxylase/oxygenase
ゼ (RubisCO, ルビスコ) と呼ばれる酵素によって促進される (図1)。
●PGAの還元 PGA は, ATP によってリン酸化されたのち, NADPHによって還
元され, C3化合物であるグリセルアルデヒドリン酸 (GAP) となる (図9-②)。
glyceraldehyde phosphate
RuBP の再生 GAPの多くは、いくつかの反応を経たのち, RuBPに戻る(図3)。
カルビン回路では, 6分子の二酸化炭素につき, 18分子のATPと12分子のNADPH
が消費されて2分子のGAPが同化産物として得られ, 光に由来するエネルギーがこれ
に貯えられる。このGAPが糖などの有機物に変えられ, 生命活動に利用される。